農業協同組合新聞 JACOM
   

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「絆の強化と仲間づくり」目指して「3か年計画」決定 
JA共済連 臨時総代会 (3/18)


◆No.1の安心と満足を提供するために
 JA共済連(前田千尋理事長)は、3月18日、ホテルパシフィック東京で臨時総代会を開催し、「平成16年度から18年度JA共済3か年計画」と「平成16年度のJA共済事業計画」などを決定した。
 「3か年計画」は、JA共済を取り巻く課題を、農業従事者の高齢化・減少などによる組織基盤の変化、次世代層の減少による契約者数・被共済者数の減少に対応した「事業基盤の構築」。
 医療・介護など生存保障ニーズの高まりなど多様化するニーズや民・簡保との競争の激化に対応する「利用者満足度の向上に向けた競争力の強化」。
 逆ざや・巨大災害リスクなどに対応するリスク管理・リスク対応力強化の必要性や、信頼性を高めるコンプライアンス態勢の強化・徹底の必要性など「よりいっそうの健全性・信頼性の強化」。そして、JA共済の優位性を確保するための「効率性・低コスト化の徹底追求」にあるとしている。
 こうした課題を克服していく「中長期展開方向」として「“絆の強化”と“仲間づくり”による磐石な事業基盤の構築に向けた取組みの強化」、「組合員・利用者一人ひとりに応じた生活総合保障の確立」によって、「No.1の安心と満足を提供」するとしている。
 具体的には、「しあわせ夢くらぶ」を基軸とした生活総合保障の確立、新規契約者の加入促進などによる仲間づくりの積極的展開による「JA共済の“強み”の発揮による“絆の強化と仲間づくり”の積極的な展開」。利用者接点における体制強化、機能強化と低コスト体質を実現する連合会の事業実施体制の再構築、リスク対応力の強化やコンプライアンス態勢・リスク管理態勢の強化・徹底、事業実施方式の変更や法制整備をふまえた事業展開による「“JA事業改革”の着実な実践による事業力の強化」に取り組む。

◆ニューパートナー80万、保有契約1800万を実現

臨時総代会後の記者会見であいさつする新井会長

 その上で、3か年計画の最終年度である18年度末には、LAを2万3000人(14年度1万9127人)にし、長期共済LA実績占率65%(同49%)に高めるとともに、一斉推進に対する「推進サポート制度」を全JAで実施し、次世代層を中心とするニューパートナーを80万人(同55万人)に増やし、「しあわせ夢くらぶ」のフォルダー登録者数1000万人(同600万人)を実現することで、保有契約者数1800万人を目指すとしている。
 総代会後の記者会見で、「3か年計画」のポイントは「ひと・いえ・くるまの総合保障」というが、1共済種類しか利用していない世帯が50%もあることをあげて「仲間づくり・ニューパートナーの拡大」が「経営の健全性の確立」とともに大きな柱だと前田千尋理事長は語った。

◆あくまでも協同組合保険で――農協法改正で

 また、農協法改正案が国会に上程されているがこれに関連して「JAが生損保の代理店となり、積極的に生損保商品を販売」していくかのような報道がされていることについて「共栄火災との一体的な事業運営を行うためには、現行法では法解釈上困難であるため、法的な根拠を明確にするためのもの」で、「従来どおり、協同組合保険をやっていくことに変わりがない」と生損保商品の販売をすることを否定した。そして、そのことを組織的に徹底するために、JA全中で現在検討している「JAの模範定款例」のなかにそのことを入れるよう要請していくことも考えているという。

◆生存保障ニーズに応えるために

 いずれにしてもこの「3か年計画」の特徴を一言でいえば「絆の強化と仲間づくり」といえる。前田理事長が「18年度末で80万人の計画だが、100万人をめざしたい」とニューパートナー獲得への決意を語ったように、次世代層・ニューパートナーをどう獲得するかが、今後のJA共済を考える最大のポイントだといえる。こうした層でのニーズが高い生存保障の仕組み開発と普及推進が重要だ。仕組みとしては、がん共済や定期医療共済などがあるが、必ずしも成果をあげているとはいえない。
 そのため「3か年計画」では「生存保障ニーズや次世代対策・ニューパートナー拡大への取組強化を優先課題」とし、こども共済・がん共済・定期医療共済については目標設定・実績管理の数字を、保障額に推進指数2または3を乗ずる「推進S方式」を導入することにした。これは、この4月以降の新仕組みにも適用される予定だ。 (2004.3.19)



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