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消費者・行政と連携し消費回復を
――鳥インフルエンザで生産者が集会 (4/28)

第1部「鶏供養祭」で供養の言葉を語る梅原日本養鶏協会長
第1部「鶏供養祭」で供養の言葉を語る梅原日本養鶏協会長
 79年ぶりに日本で発生した高病原性鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ)によって多大な被害を蒙っている(社)日本養鶏協会、(社)日本食鳥協会と(社)日本卵業協会は、4月28日に東京グランドホテル(東京・港区)で、「今後の再発がないことを祈念し、本来の役割を果たさずに殺されていった鶏を供養し、あわせて鳥インフルエンザによって大きな打撃を受けた鶏肉・鶏卵の消費拡大を願って」(梅原宏保日本養鶏協会長)、「鶏供養祭および鶏肉・鶏卵の消費拡大の集い」を開催した。
 この集会には、全国から養鶏生産者の代表など約220名が参加したが、来賓として亀井善之農水大臣はじめ石原葵事務次官、中川坦消費・安全局長、白須敏郎生産局長、井出道雄畜産部長など農水省の幹部も出席した。
 第1部の「鶏供養祭」で亀井農水大臣は「農水省として鳥インフルエンザのまん延防止、食の安全・安心確保に努めていく。鶏卵・鶏肉の消費が回復することを願っている」と挨拶した。
 第2部「鶏肉・鶏卵の消費拡大の集い」では、栗木鋭三日本鶏卵生産者協会副会長をコーディネーターにパネルディスカッションを行った。
「鶏供養祭」で挨拶する亀井農水大臣
「鶏供養祭」で挨拶する亀井農水大臣
 木下寿美山口県養鶏協会長、杉田育夫大分県養鶏協会長、中澤廣司京都府養鶏協議会長からは、いずれの府県においても、移動制限区域内はもとより移動制限区域外で生産されたものでも取引停止や発生前に生産・出荷されたものへの回収要請が取引先からだされるなど、風評被害によって地域ブランドが壊され、多大な経済的損害が発生したことが報告された。
 また、井元弘日本食鳥協会理事は、1月以降の鶏肉の販売実績を詳細に報告したが、京都での発生以後、終息宣言が出されるまでは前年の半分に落ち込み、3月はパニック状態だったと語った。
現地の生々しい報告をするパネリスト(左から、高橋京都生協チーフ、杉田大分県養鶏協会長、中澤京都府養鶏協議会長、木下山口県養鶏協会長、井元日本食鳥協会理事、栗木日本鶏卵生産者協会副会長)
現地の生々しい報告をするパネリスト(左から、高橋京都生協チーフ、杉田大分県養鶏協会長、中澤京都府養鶏協議会長、木下山口県養鶏協会長、井元日本食鳥協会理事、栗木日本鶏卵生産者協会副会長)
 現在、3府県では、生産者・消費者・行政が連携して消費回復・拡大の取り組みがされているが、山口県ではいち早い行政や生産者団体の取り組みによって県内消費はほぼ回復したという。しかし、京都の中澤会長が「自分のところはまだ7掛け」というように消費が回復したとはいえないのが現状だ。
 そうしたなかで、京都生協は、京都での発生以降、返品はいっさいせず、代替え品の帳合いを移動制限区域内生産者を通すなど取引きを停止せず、さらに3月27日には生産者を励ます集会を開くなど、一貫して生産者との連帯を重視した方策を進めてきたことが高橋茂雄京都生協チーフから報告され、参加者に大きな感銘を与えた。
 そして風評被害を防ぐために、消費者に鶏肉・鶏卵の安全・安心を分かってもらうためには、迅速で的確な対策が必要であること。再発防止のために「防疫マニュアル」の見直し、補償対策など万全な被害対策が必要なことが確認された。 (2004.5.6)


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