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JASマークつき牛肉販売を始める
ジャスコが首都圏で (5/6)

新しいJAS規格品につけられるマーク
新しいJAS規格品につけられるマーク
 スーパー大手のイオンがJASマークのついた国産牛肉の販売を5月6日から始めた。JASの“お墨付き”牛肉は全国で初めて。パックにつけた14ケタの個体識別番号によって牛に与えた飼料や医薬品までがわかる。普通のトレーサビリティ(履歴管理)よりも情報開示の項目が多い。
 この日はジャスコの品川シーサイド店(東京都)、津田沼店(千葉県)、鎌ヶ谷店(同)の3店で発売。精肉売場に「JAS」のロゴを大きく掲げ、パックには目立つシールを貼った。またステーキの試食などで客足を引き寄せた。
 食品の生産情報を消費者に正確に伝えていることを第3者機関が認証する「生産情報公表JAS規格」(日本農林規格)が昨年できて、検査に合格した製品は、JASマークを表示できることになった。

◆新規格の認定を取得

 新商品は(1)生産が北海道白滝村の宮下牧場(2)部分肉加工が(株)北海道畜産公社北見事業所(3)精肉加工がイオンのプロセスセンター(南関東)で、3行程の業者はともに、農水大臣が認めた登録認定機関((有)リーファース)の認定第一号だ。
 イオンはBSE問題後、客が店頭で安全を確認できるトレーサビリティシステム構築に積極的。その中でJA全農の「全農安心システム」と連携。今回もホクレン、全農が協力した。
 「月間で12頭分(1頭約250キロ)約3トンの販売を見込んでいる」とイオン畜産商品部の中野修部長。
 しかし、牛を育てるには2年ほどかかるため、簡単には、その供給を増やせない。このため「産地の拡大に期待したい」と全農中央畜産センターの木村敬・場長は話す。
 また子牛出産から出荷までの一貫農場なら情報伝達に問題はないが、子牛農家や肥育農家などが別々の場合は「記帳した情報の保管や伝達をきちんとしていくことが課題となる」と全農畜産販売部の沓澤宏紀審査役は指摘する。

◆生産履歴記帳がベース

JASマークのついたジャスコの新商品「生産情報公表牛肉」を手にした生産者の宮下盛次さん=ジャスコ品川シーサイド店の牛肉売場。
JASマークのついたジャスコの新商品「生産情報公表牛肉」を手にした生産者の宮下盛次さん=ジャスコ品川シーサイド店の牛肉売場。

 宮下牧場は一貫生産ではないが、近くの農家とグループを組んで生産行程管理者の認定を取得した。
 宮下盛次代表は「もともと履歴を記帳してきたベースがあったので、取得に当たって格別のことはしなかった。しかし、認定機関の記録様式とは違っていて感覚の差を感じた。生産者の記帳が広がる中で今後、JAS牛肉を増やすには、小売段階でも『小分け業者』の認定取得を増やす必要がある」と語った。
 生産者だけでなく、加工と小売でも小分け業者としての認定を取得しないとJASマークつきの牛肉は販売できない仕組みだ。
 JAS牛肉は容器や包装にマークのほか「生産情報公表牛肉」と表示される。詳しい情報はジャスコ店の公開端末や、イオンのホームページで確認できる。 (2004.5.11)



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