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佐賀県のJA佐城で県域戸配送スタート (5/17)

 JA佐城(正組合員戸数約9670)が生産資材などを農家に届ける業務をJA佐賀経済連に委託する形で5月11日から県域農家戸配送をスタートさせた。JAの資材店舗や支所が組合員から受注した品物を、経済連の県域配送センターから直接、組合員宅に届ける仕組みだ。
 従来は、いったんJAの倉庫に運び込んだあとで戸配されていたが、その手間を省いた上、JAの在庫を大幅に圧縮できる。時間的にも15時までの注文なら翌日配送となり、効率化はサービス向上にも及ぶ。
 県域配送センターは佐賀市内にある経済連の施設内に設けた。要員は5人で車は8台。しかし配送先は佐賀市に隣接したJA佐城管内に限られる。このため経済連はJA佐賀市についても県域配送センターを利用するよう協議している。今年度中の合意を目指す。

■17年度に県域一体化へ

 また来年度からは県内14JAすべてが県域戸配送に参加するという県域一体化物流に取り組む方向だ。
 資材価格引き下げに向けた物流コスト削減は経済事業改革の眼目であり、全国では、すでに10数県の経済連・全農県本部が、JAから受託する方式で県域物流を実施している。
 しかし委託しないJAもあるため、県内の全JAが参加する物流体制はまだ、どの県にもできていないのが現状。完全な県域一体化はこれからだ。
 JAグループ佐賀は、昨年の県JA大会で決めた経済事業改革プランにもとづき、JA佐城を先行JAとして、新しい物流体制の構築を進めた。

■購買履歴を活用しサービス向上めざす

 また経済連とJA全農が開発した物流情報センター標準システムを導入した。これは組合員の購買履歴を蓄積し、サービスなどにも活用できるシステムだ。
 県域配送センターは在庫を管理し、注文を受けて戸配するが、途中で小型トラックへの積み替えもできるように配送中継拠点も設けた。一方、JAの資材店舗(営農資材センター)へも運送。組合員自身による荷の引き取り(直引き)や当用買いなどに対応する。
 なお、全国的には県域よりも狭い範囲の戸配一元化もみられる。
 例えば、各支店(合併前の各JA本店)倉庫からの配送を廃止し、配送拠点を本店のセンターに集約した大型JAとか、複数JAの提携による拠点を設けて広域戸配送に切り替えるなどの物流合理化がある。
 全農は、県域を含め、こうした広域での展開を中心に物流改革を加速させ、来年度内には全国で概ね150ヵ所の農家配送拠点の整備と、物流情報標準システムの普及に取り組む。

(2004.5.17)



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