農業協同組合新聞 JACOM
   

農政.農協ニュース

畜産経営の継承支援事業を推進
全国連がJA支援 (5/31)

 畜産農家が廃業しても、その経営が新たな担い手へ円滑に引き継がれるようにとJA全中などは3年前から畜産経営継承支援事業を実施。平成16年度も引き続き、これに取り組むJAを増やすため、推進策を強化する方針だ。同事業は、継承者が見つかるまでの間、やめた農家の土地や施設などをJAが一時的に保有、中継ぎとして組合員やJA出資法人、またはJAが経営に当たるという取り組みに助成金を出す仕組み。
 BSE(牛海綿状脳症)、鳥インフルエンザなど畜産農家の受難は多いが、廃業が続いても生産基盤は守っていこうとのねらいだ。肉牛、乳牛、豚、鶏の生産者向けで、支援対象はJA。
 経営をやめる決断がつかずに負債が雪だるまとなる農家が多いが、機械・器具や家畜までJAが買い取れば負債整理が促進されるためこれにともなう経費を助成する。ほかにも助成対象となる諸経費は多い。
 ハードの費用だけではなく、最終的な経営者に継承するまでには新規就農者の場合、技術指導などのソフト費用も必要になるが、そうした諸経費も助成する。

■地域の生産資源を維持

 同事業は全中、全農、全共連、農林中金が出資し、毎年の予算枠を5億円として13年度にスタート。17年度まで実施する。
 助成実績は▽13年度が4道県・14JA・15案件・約1億2800万円▽14年度が3道県・14JA・16案件約6900万円▽15年度が2道県・10JA・11案件・約1億円。
 毎年、予算枠内にとどまっているが、今年度も5億円を設定。この事業の活用がもっと広がるよう新たな推進策を考える。全中は国の畜産振興総合対策事業、新規就農円滑化モデル事業などとの連携に努める。
 助成の要件には▽中止者は清算処理をする▽継承者は単独または共同で一括承継する▽JAは対策の基本方針を確立し、専門推進体制を整備する▽県段階でも4連の協議会で基本方針を確立する、などがある。
 なお家畜の飼養戸数は減少が続いており、15年度は前年比で乳用牛が3.9%、肉用牛は5.9%、豚が5.7%の減少となっている(農水省の畜産統計)。 (2004.5.31)



社団法人 農協協会
 
〒102-0071 東京都千代田区富士見1-7-5 共済ビル Tel. 03-3261-0051 Fax. 03-3261-9778 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。