ブラジルのロドリゲス農務大臣は5月27日に来日し、28日に亀井農水大臣との会談後、JAビルを訪れ宮田JA全中会長と会談した。
亀井大臣は、日本が世界一の農産物純輸入国であることを話し、WTO交渉では「輸入国の立場を十分に理解してもらいたい。ブラジルはG20のリーダー格として関税削減方式案のとりまとめをしているが、上限関税の設定が含まれることを強く憂慮している」と述べた。これに対しロドリゲス大臣は、ブラジルではWTO交渉は外務省が所管していることから、外務大臣に日本の意向を伝えると答えるにとどまった。
そのほかロドリゲス大臣は、牛肉、フルーツなどの日本への輸出や農協間協力による貿易、両国間の技術協力についての期待を語った。
一方、JAビルで行われた宮田全中会長らとの会談で、宮田会長は、ブラジルなど20か国のグループが上限関税設定案を検討していることについて「非常に問題である」と反対の立場を強調した。これに対してロドリゲス大臣は、「日本側が直面している困難は認識している。個人的には柔軟性に配慮すべきと考えている。日本とブラジルとの良好な関係に悪影響がないような解決を本国に伝える」と語った。
なお、ワシントンで行われている世界農業者大会にJAグループは代表団を派遣。宮田会長らが出席して各国農業団体に日本の立場を主張、意見交換している。 (2004.6.1)