多年にわたり農協の発展に献身的に寄与した『隠れた功績者』を表彰する(社)農協協会の「第26回農協人文化賞」表彰式が6月2日、東京・大手町のJAビルで開催され、同協会の中川
行会長から4部門にわたる計11人に表彰状と副賞を贈り、会場は盛大な拍手で、受賞の栄誉を讃えた。今年は農協と関係の深い生協運動の中からも受賞者を選んだ。
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塚田和夫
JA全中常務理事 |
表彰式には関係者約100人が出席。中川会長のあいさつに次いで推薦委員会の今村奈良臣委員長(東京大学名誉教授)の推薦経過報告のあと、11氏を表彰。JA全中の塚田和夫常務と栃木県信連経営管理委員会の藤原林次郎会長が来賓祝辞を贈った。藤原会長は5年前の受賞者で「その栄誉に恥じないようと今日もがんばっている」と思いを語り、新しい受賞者の今後の活動に期待を寄せた。
続いて受賞者がそれぞれ体験を発表し、感銘を与えた。その内容にはJA改革への貴重な提言もあった。
このあと記念パーティに移り、中川会長、今村委員長、塚田常務、全共連の今尾和美常務、家の光協会の山本昌之専務、川野重任・東大名誉教授、農協愛友会の谷碧氏が次々に祝辞を贈り、農林中金の上野博史理事長からの祝電も披露。梶井功東京農工大名誉教授の発声で乾杯し、受賞者を囲む歓談がはずんだ。
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川野重任
東大名誉教授 |
梶井功
農工大名誉教授 |
今尾和実
JA共済連常務理事 |
山本昌之
(社)家の光協会専務理事 |
祝辞では、受賞者の体験発表に対する高い評価が語られ、口々に「農協を取り巻く厳しい情勢の中で元気づけられた」「大いに励まされた」などの感想が出た。
中でも梶井名誉教授は農水省の食料・農業・農村基本計画見直し方向について「その答えがすでに受賞者の実践の中にかなり出ている」と指摘した。
☆受賞者☆ |
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経済事業部門 |
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岡山県・岡山西農協組合長
守谷屹氏 |
長野県・上伊那農協 前組合長
湯澤武雄氏 |
共済事業部門 |
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全国共済農協連合会長野県本部
前本部長
小林一雄氏 |
北海道共済農協連合会 元参事
高橋良夫氏 |
信用事業部門 |
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愛知県・ひまわり農協組合長
岩瀬義人氏 |
神奈川県・セレサ川崎農協組合長
小泉一郎氏 |
一般文化部門 |
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秋田県・三輪農協 元理事
高橋良蔵氏 |
日本生活協同組合連合会元理事
立川百恵氏 |
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JA青森県女性組織協議会 元会長
長谷川蓉子氏 |
静岡県・三ヶ日農協 前信用共済部長
山本美彦氏 |
一般文化部門特別賞 |
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福島県・東西しらかわ農協組合長
岩谷好氏 |
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推薦委員会・今村奈良臣委員長(東大名誉教授)の推薦経過報告 (要旨)
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今村奈良臣
東大名誉教授 |
この賞は、功なり名遂げた方々でなく、縁の下の力持ちのような役割を果たしてこられた方々に贈るとの規定がありますが、単にそれだけではありません。
長年、深い思索のもとに実践を重ねて、新しい路線を次々に開拓し、そこに英知とリーダーシップを発揮してこられた方々が推薦されてきたと思います。
全国には約900の農協がありますが、うち50ほどのトップクラスの優れた農協は、協同組合間連携を進めたり、販売事業改革や営農指導事業で組合員のエネルギーを結集したりして、新しい路線を切り開いています。しかし、ほかの農協が、そのレベルに達するのは容易ではありません。
その意味で、今日の受賞者のような方々が全国に存在して農協を変えていってほしいものだと思います。
農協ほど人材を必要としている組織はないと私はいい続けていますが、この表彰事業を通じ、これを核にして農協運動の中に、より多くの人材が増えていくようにと願っております。 |
(2004.6.8)