農業協同組合新聞 JACOM
   

農政.農協ニュース

コープケミカルと朝日工業が業務提携
肥料業界に波紋 (6/30)

記者会見する両社の役員

記者会見する両社の役員

 肥料メーカーのコープケミカル(株)が朝日工業(株)の株式の5%に当たる1000株を取得したと6月30日発表した。
 両社は業務提携を強化し、将来は合併も視野に入れるが、今は白紙の立場だという。1社では限界のある合理化などを両社が協力して、できる部分から進めていく方針だ。しかし両社肥料部門の売上高を合わせれば国内最大級となるだけに業界再編への引き金になりかねない業務提携として注目される。
 朝日工業は有機肥料の製造が主力で、肥料の売上高77億円のうち60億円はJA全農を通じた販売だ。同社はセゾングループの1社だったが、西武百貨店は再建計画の中で朝日工業の株式を放出することになり、セゾングループから独立した朝日工業は新たな安定株主として全農とコープケミカルに株式5%の取得を要請し、合意となった。

■競争力強化が期待

 朝日工業は鉄筋素材など鉄鋼製品の製造・販売もしており、その関係で三井物産の10%をはじめ商社など40社が株主となっている。
 肥料では関東、関西が中心の事業展開だ。
 一方、コープケミカルは東日本を中心に無機肥料のウエイトが高い。肥料の売上高は154億円で、ほとんどが全農向けだ。
 両社が、それぞれの特徴を生かして生産、販売、研究の各分野で業務提携をしていけば系統基幹メーカーの一層の競争力強化が図れるものと期待される。工場数はコープケミカルが5、朝日工業が3で、再編成が予想される。
 朝日工業の大塚寿郎社長は、会見で「お互いに補完し合えるものが大きいと思う。全農さんのバックアップもあるとのお話で、強い味方が得られたと期待も大きい」と語り、コープケミカルの岡本英誠社長は「生産と需要のバランスをとるためには複数の社で合理的な仕組みをつくる必要性が今後、強く出てくるだろう」と語った。

 朝日工業
  ▽設立1991年▽資本金10億円▽従業員数352人▽売上高302億円。
 コープケミカル
  ▽設立1938年▽資本金28億円(うち全農出資13%)▽従業員数279人▽売上高182億円。

(2004.7.1)


社団法人 農協協会
 
〒102-0071 東京都千代田区富士見1-7-5 共済ビル Tel. 03-3261-0051 Fax. 03-3261-9778 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。