農水省は7月16日、『第17回農業生産資材問題検討会』を開催した。農業生産資材を取り巻く環境が大きく変化するなか、平成13年に策定した『農業生産資材費低減のための行動計画』の見直し作業に入っているが、今後は大規模農家への対応などが焦点になる。
最近の生産資材の種類別にみた価格動向を見ると、肥料は平成13肥料年度のメーカー出荷価格が引き上げられたことなどにより14年は上昇したものの15年は横ばい、農薬は全農供給価格で11年連続引き下げと低下傾向、農業機械はシンプル農機などの供給によりこれも低下傾向にある。
内外価格差については、品質、装備、流通形態などの諸条件に違いがあることから単純には比較できないものの、代表的なものを米国と比較すると、肥料(硫安)1・1倍、農薬(殺虫剤:イミダクロプリド)1・3倍、農業機械(トラクター)1・1倍と1〜3割ほど割高となっている。
一方、流通には変化が見られる。
農家段階での農協系統シェアは、化学肥料90%、農薬60%、農業機械55%となっており、肥料、農業機械についてはさほどの変化は見られないが、農薬については商系のシェアが増加している(流通経路図参照)。
もっとも大きな流通の変化は、肥料、農薬などを取り扱うホームセンターが増加しているほか、店舗販売に加えインターネット販売の活用、輸入資材の積極的な取り扱いなどを特徴とする新たな農業資材スーパー的な販売店が参入していることだ。
例えば、「S」農業資材スーパーは、平成6年に4店舗(茨城県)でスタートし平成15年には29店舗(15県)に拡大、将来的には全国300店舗を目標としている。売上高も、平成6年度の17億円から平成13年度は84億円に伸長した。1万2000というアイテム数が魅力となっているのかもしれない。
このような背景のもと、行動計画では平成17年目標の一例として、輸入肥料(アラジン)の出荷割合10%、大型規格農薬の出荷割合80%、基本性能に特化したシンプル農機の出荷割合58%、などの目標を掲げている。 (2004.7.23)
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