JAグループは、JAの支所・支店体制の再構築が事業管理費の抑制につながることから、このほどグループ全体で取り組む再構築のための「指針」を決めた。
指針では支所・支店の存置最低基準と最低人員基準を決めた。
人員基準は、JAバンク中期戦略の「店舗人員基準」を組み込み、就業時間中は「役席者(所定権限者)1名を含め、常時3名以上の信用事業担当職員が在店」とした。
責任者を含め4名の在店体制が最低基準とされたが、実際には職員の休憩や外勤などを考えると、「通常、当該支所・支店に4名以上の職員が配置されていることが必要となる」とし、最低基準は地域内のライフライン的な支所・支店での例外とした。
さらに山間部や島嶼部などを管内とするJAでは、人員を最低限に絞り込んで運営せざるを得ない支店もあり「常時3名」体制をとることが難しいJAもある。こうしたJAについては、就業時間中には離店しないなどの内規を設けたり、非常勤職員の活用、他支所・部署との兼務職員の配置などで「常時3名」を実現するよう求めている。
とくに人員基準は不祥事防止など内部けん制を確保するためのもので、全国のJAで必ず遵守しなければならない基準とした。もうひとつの存置最低基準としては「最低限度の採算性」を上げ、具体的には「原則として支所・支店での共管配賦前の収支確保」とし、JAの支所・支店はこの2つの要素を満たすことを求める。
「指針」では、存置最低基準を下回る支所・支店は基本的に統廃合や機能見直し候補とするとしている。また、基準を上回る支所・支店については信用、共済、経済それぞれの事業別評価を行って統廃合や機能見直し対象支所・支店候補を検討する。
なお、共済事業についても内部けん制確保の観点から管理者1名を含む3名体制を最低要員体制としているが、統廃合などの基準としては位置づけていない。 (2004.7.29)
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