平成15年度末のJAのリスク管理債権は1兆5390億円で、前年より990億円増えた。農水省が938JAを対象にまとめた結果を8月27日公表した。農畜産物の価格低迷や冷夏、地方経済の停滞などが背景にあるとされる。
貸出金は6910億円減少し、20兆6410億円となった。その中に占めるリスク管理債権の割合は7.5%で0.7ポイント上昇した。全国銀行の場合は前年より1.7ポイント低い6.1%に下げている。
リスク管理債権に占める貸倒引当金の比率はJAが38%で2.3ポイント下がった。全国銀行は43.6%だが、JAに比べ預貸率がぐんと高いため引当率も高く、単純比較はできない。
JAのリスク管理債権の内訳は、破たん先債権が80億円減の1210億円となったが、延滞債権は1030億円増の9560億円と4ランクの中で最も目立つ増加となった。また3ヶ月以上延滞債権は530億円減の1090億円だが、貸出条件緩和債権は570億円増の3530億円。
信連の場合は、リスク管理債権が180億円減って3940億円。うち破たん先債権も50億円減の290億円。延滞債権も同じく50億円減の2550億円。貸出金に占める比率は0.9ポイント減の6.8%。
農林中金もリスク管理債権は230億円減の6330億円。うち破たん先債権が140億円減の40億円。延滞債権が410億円減の3550億円。しかし貸出金が減ったため、リスク管理債権の比率は0.2ポイント上がって3.6%。
JAグループ全体では、リスク管理債権が590億円増の2兆5660億円となり貸出金に占める比率は0.3ポイント上がって、5.8%となった。 (2004.8.31)
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