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県内7JAに統合
JA千葉中央会が再編計画案見直し (8/26)


 JA千葉中央会は県内27JAを2つに統合する構想を改め、新たに7JAに再編する計画案をまとめて、8月26日のJAバンク中央本部委員会に提出した。9月1日に開くJAバンク支援協会(旧全国信連協会)の理事会で了承されれば、赤字のJA千葉信連に、JAバンクグループから250億円が資本注入される見通し。これにより同信連の自己資本比率は4%台から10%台に高まって、来年4月に向けたペイオフ全面解禁対策が進む。
 信連は地価下落による不良債権の処理などから今年3月期決算で373億円の当期損失を出した。また、いくつかのJAも経営改善を迫られているため、中央会は、JA合併で県内を2組織にまとめる構想を昨年末に打ち出した。
 区分は「ちば地区」の17JA」と「東葛飾地区」の10JA」とした。
 しかし一部のJAの反発などで構想は暗礁に乗り上げた。県内のJAは昨年末に信連の要請で215億円の増資に協力した事情もあって「信連の基盤強化と大合併は別問題」とか、再編見直しの意見が出たり、一方、県議会での議論もあった。
 このためJAグループ千葉の再構築を改めて協議した結果、新たに7JAへの統合案をまとめた。
 内容は(1)市川市や柏市など東葛地区の9JA(2)八千代市、千葉みらい(3)印旛郡市4JA(4)香取・海匝地区4JA(5)山武郡市(6)市原市(7)長生・いすみ・木更津市・君津市・安房・鴨川。
 これを当初案と比べるとJA山武郡市とJA市原市を単独経営としたのが特徴。一方、都市部の東葛地区は当初案そのままとしたが、その他の郡部は再分割のかたちとなった。
 一挙に2JAにくくる構想には「地域性を無視するもの」という反発があったが、7JA構想に対しては「このほうが落ち着きがよい」との評が信用事業関係者の間にはある。
 JAグループ千葉は12年前に11JAへの合併構想を立てて推進し、山武郡市や市原などは実現したが、まだ27JAが残っていた。
 信連はゴルフ場融資の不良債権を処理してきたが、その後も地価下落による担保の目減りなどで新規の不良債権が発生し、3月期決算では約240億円の処理を迫られ、また繰り延べ税金資産の一括取り崩しで最終赤字となった。
 なお、信連の理事長はじめ全理事と経営管理委員会の会長らは3月末の臨時総会で退任し、また中央会会長も交代した。 (2004.9.1)



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