先のWTO一般理事会では日本、スイス、ノルウェー、韓国など食料輸入国・地域のグループが存在感を示したが、JA全中は、これらG10など海外農業団体との連携が今後の農業交渉対策でも極めて重要になるとして当面、来春までを目途に各国の農業団体に意見交換を求めていく方針を決めた。対象はG10、アジア、カナダ、EUなど。
WTO交渉は8月に主要分野の枠組み合意に達したが、これに対する評価や新しい連携活動のあり方などを話し合う。またG10の主張に理解を示す国の農業団体へと連携を広げていく可能性も検討する。
枠組み合意には、評価がある一方、実際には先送りされた困難な課題の交渉はこれからとされ、今年10月以降は、関税削減率などの具体的水準や階層方式(高関税ほど大幅に削減)の階層数など保護削減の基準をめぐる交渉が行われるものと想定される。
このため全中は9月2日の理事会でWTO対策について当面の運動方針を決めた。国内では、JA祭りなどが開催される秋から年末にかけてを地域住民の理解を促進する重点期間とし、各JAが住民に食料と農業に対する認識を訴えるよう広報資材を作る。またJAと県域で「フォーラム」の設置を促進する。
またEPA(経済連携協定)対策では、日韓農協の協力協議会を年内に開き、両国農業者の自由貿易などの交渉に対する懸念や課題について意見を交換する。
さらに交渉相手国であるタイ、フィリピン、マレーシアなどの農業団体などとも個別に意見交換の機会を求める。 |