農業協同組合新聞 JACOM
   
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食料自給率「わからない」人が86%も
日本生協連「食生活に関する意識調査」で (9/3)

 日本の食料自給率について「わかっている」と回答したのは、生協組合員のわずか14%。86%の人は「わからない」と回答した。
 これは日本生協連(小倉修悟会長)の「農業・食生活への提言」検討委員会が、農業や食生活への提言を検討するために、現在の消費者が抱いている食生活に対する理想や意識を把握し、その変化を確認することを目的に行なった「食生活に関する意識調査」の結果だ。
 アンケートの内容は、食生活や食教育に対する考え方、食事や食生活の現状など、幅広い内容になっているが、注目されるのは冒頭に記した「日本の食料自給率(カロリーベース)についてご存知ですか」という問いに86%の人が「よくわからない」と回答していることだ。

◆若い人ほど低い自給率への関心

 地域別に見ると、北海道・東北、九州などの生産県を中心に認知度が高いが、それでも20%程度に過ぎず、地域差はそれほどない。年齢別に見ると、29歳以下の10%から年齢が上がるほど認知度が高くなり、60歳以上では41%となっている。これについて日本生協連は「食料自給率について、多くの消費者は特に意識していない。また、米余りのニュースなどが伝わる中、日本の自給率が低いことが実感されにくいのかもしれない」とみている。特に若い層は生まれたときから「米余り」のなかで育っているので、自給率が低いことを実感しにくいといえる。
 さらに、食生活や食事に関して興味があることを聞いた設問(複数回答)でも、料理、栄養・健康面や食品の安全性に関するものはいずれも6割を超えているが「日本農業の現状や食料自給率」は17%と「その他」を含めて24の選択肢の下から3番目。生協に期待すること(3つまで選択)の「食料自給率等の学習」は1%と自給率についての関心が低い結果となっている。
 調査対象は、全国から応募した6472名生協組合員の中から、年齢・地域性などから選ばれた「生協とくらしに関するモニター」1477名、今年の6月30日から7月5日までの間にメールでアンケートを実施、有効回答者数は1221名(回答率82.7%)。回答者の9割は、生協の「食や農業の活動」に何らかの関心を持っており、一般的には意識が高いといわれる生協組合員のなかでも、食や農業への意識が高い人たちだといえる。その人たちの日本の食料自給率についての関心が低いことを、行政も含めて農業関係者は深刻に受け止める必要があるのではないだろうか。

地域別食料自給率の認知度

年齢別食料自給率の認知度

◆高い地域の特産物への認知度――地産地消や直売所の成果か

 このほか農業関係で注目されるのは「自分が住んでいる地域の特産物についてご存知ですか」という設問に、全体では65%が「わかっている」と回答しており、地産地消や直売所などの活動が、一定の成果をあげていることがうかがえる。地域別に見ると、生産県である北海道・東北78%、中四国79%で高く、近畿58%や関東甲信越60%(うち東京都は38%)のように都市部のベットタウン地区では低くなっている。
 年齢別では、年齢が高い層ほど認知度が高く、60歳以上は82%が認知しているが、29歳以下では54%となっている。
 そのほかにも、食生活や料理、食育など、消費者の「食」を理解するために有効な項目が多い。興味のある人は、日本生協連のホームページで閲覧することができる。

(2004.9.3)


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