社会福祉法人全国介助犬協会(理事長:初山康弘 国際医療福祉大学名誉教授)と身体障害者補助犬法を推進する議員の会(会長:橋本龍太郎 自民党衆議院)は9月10日、介助犬協会設立後初の認定介助犬ココア号が誕生したことに関する記者会見を開いた。会場は全共連ビル(東京都千代田区平河町)第9会議室で、報道関係者を中心に約60人が集まり、午後2時から会見は始まった。
最初にJA共済連社会福祉室・山本室長が当記者会見の趣旨を説明し、その後議員の会事務局長の阿部知子氏(社民党衆議院)が「身体障害者補助犬法が02年5月に成立し、徐々にではありますが介助犬等により障害者の社会復帰が進んでいるのは喜ばしいことです。認定介助犬第1号の誕生により、今後多くの介助犬が生まれることを期待しています」と、挨拶。続いて福島豊氏(公明党衆議院)、厚生労働省障害保険福祉企画課社会参加推進室長の江波戸一敏氏がそれぞれ、認定介助犬第1号誕生の意義を強調した。議員の会は『身体障害者補助犬法』の推進母体で、超党派の国会議員73名(9月1日現在)より構成されている。同法は昨年10月に施行され、来年度中の見直しが義務づけられている。議員の会は、それまで活動を継続することにしている。
議員の会に続き、全国介助犬協会の会見に移った。同協会は、手足の不自由な人々の自立と社会参加を支援する手段として、個々人の障害に合わせて訓練された介助犬を育成し、障害者の社会復帰を助けるため本年3月18日に設立された。設立に際して、JA共済連は自動車・自賠責共済事業を行っており、交通事故被害者の社会復帰を支援する立場から同協会の設立基金1億円を拠出した。
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ココア号と川本昌代さん |
事務局の高蝸F子氏(NPO法人 日本介助犬アカデミー専務理事)は「介助犬は全国で42頭(7月29日現在)が活躍しています。しかし、介助犬を必要としている障害者に比べれば、圧倒的に数が不足しています。ココアは法律施行後、補助犬育成補助事業の対象となった初の例で、ココアに続いて多くの介助犬が生まれ、障害者の自立や社会参加を支援できるよう、協会の活動に力を入れていきます」とあいさつした。
続いて、ココア使用者の川本昌代さん(横浜市在住)が、「介助犬を希望してから4年、やっと希望が実現しました。ココアと生活を共にすることで、私の生活は大きく変わりました。気持ちが積極的になれたことが大きいと思います」と、ココアとの生活を語った。ココアはゴールデン・レトリバー種のメスで、01年12月生まれ。生後4カ月で協会に来た。1歳から介助犬の訓練を開始し、04年3月から川本さんとの合同訓練に入り、8月16日認定を受けた。
最後に川本さんとココアの写真撮影があり、少し緊張気味のココアに多くのカメラが向けられた。 |