農水省は平成17年産の畑作物価格と関連対策を10月1日決めた。麦作経営安定資金(麦経)は小麦60キロの最高単価(Aランク1等)が6650円で、前年産区分の最高単価に比べ80円引き下げたが、その予算削減分は産地改革の支援(17億円)と、品質向上支援対策(17億円)に回した。このため品質向上支援対策の単価は前年比100円増の326円相当となった。
前年までは銘柄別にI からIV までの4区分だったが、製粉メーカーなどの実需者が支払う契約生産奨励金が品質評価によるAからDまでの4ランク区分に変わったため政策価格もこれに合わせた。
収穫前に雨にたたられたりすると品質評価が落ちるため、同省は当初、基礎的な助成を厚くして生産者手取りの減少を緩和し、その上に品質助成を乗せる案をつくったが、産地改革支援の新設を考慮して品質区分一本に変更した。
その代わり基礎助成に当たる最低区分のD1等の単価を、前年のIV の1等より405円多くし、5942円とした。JAグループが要請していた基礎助成6000円水準を踏まえた額といえる。また産地改革支援はJAグループの要請通りとなった。
大豆は交付金単価を100円引き下げて8020円とし、その削減分を「担い手支援・良質大豆生産誘導対策」に回した。
また一昨年までの価格低落で大豆作経営安定対策の資金の赤字がふくらんでいるため、拠出率を国は9%から12%へ、生産者は3%から4%へと引き上げた。
甘味資源では、テンサイの基準糖度帯を0.1度引き上げた。糖度が高いほど工場が支払う価格も高くなる(0.1度刻みで140円)仕組みだが、最近は平均して糖度が高くなったため、基準も引き上げたという。最低生産者価格はトン当たり120円引き下げたが、農業経営基盤強化特別対策の単価は120円引き上げた。 サトウキビは生産費が下がっているため最低生産者価格をトン当たり100円引き下げる一方、特別対策を100円引き上げた。
また糖度の低い地域での品種改良や肥培管理を助成する対策事業に1億5800万円、台風被害対策に4000万円を措置した。
でんぶん原料はバレイショの原料基準価格をトン当たり10円引き下げ、特別対策を同額増やした。
カンショも取引指導価格を30円下げ、特別対策を同額増やした。 |