厚労省と農林水産省は10月12日、自民党の「動植物検疫及び消費安全に関する小委員会」に、食品安全委員会に諮問するBSE検査など国内措置の見直し案を説明したが、委員会で議論が紛糾し再度、議論することになった。
両省の見直し案は食品安全委員会の中間とりまとめを受けて、20か月齢以下の牛について検査から除外することなどを示した。また、消費者の混乱を防止するため経過措置として、自治体が自主的に全頭検査を続ける場合には国が補助することなどを明らかにした。
委員会では、食品安全委員会が科学的な根拠に基づいて出した報告を尊重すべきとの意見も出たが、「今、なぜ見直しなのか。国民に不信、不満が残るだけ」、「安全だけでなく安心のために全頭検査の実施を決めたことを忘れてはならない」、「検査した牛肉と検査しない牛肉が出まわることになり、未検査のものは販売価格も下がる」など強く反対する意見も相次いだ。また、米国産牛肉の輸入再開に向けた圧力もあるのではないかとの指摘も多かった。
このため意見が集約できず再度委員会を開き検討することになった。厚労省と農水省は自民党で了承されてから食品安全委員会に諮問することにしている。
委員会後の記者会見で同党の野呂田総合農政調査会長は「食品安全委員会の科学的な見解は最大限尊重しなければならない。しかし、市町村、県から『安心』がなければ産地として困る、国の結論とは別に全頭検査をするというところもある。どこですりあわせるのかもう一度検討する」などと述べた。委員会は15日までに再度開かれる見込みもある。 |