農業協同組合新聞 JACOM
   
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早取り、不ぞろい野菜出荷を促進
−農水省が緊急野菜供給対策 (10/26)

 台風、長雨により野菜生産も大きな影響を受け、10月に入ってから価格が急騰していることから、農水省は10月26日、緊急野菜供給対策の実施を決めた。
 野菜価格は8月から9月にかけて安定しており指定野菜平均(14品目)の9月の価格は平年比101%(東京都中央卸売市場)だった。しかし、10月の台風22号、23号の影響で中旬から高騰し、10月25日の指定野菜平均では平年比200%となった。
 品目別ではだいこんが352%、はくさいが338%、レタスが299%と高値となっている。レタスは10月上旬には1kg201円だったが、10月21日には861円にまで跳ね上がった。
 今回の対策の柱は3つ。
 ひとつは、早取りして出荷の前倒しを行うことを促進する「生産出荷団体緊急需給調整事業」。平均価格の150%以上高騰しているキャベツ、秋冬だいこん、秋冬はくさいを対象に、早取り出荷で野菜の重量が減ることにともなう損失分を補てんする。全農が農水省に届け出て産地の調整など緊急需給対策を実施する。
 交付金単価は1kg18円から20円。品目と出荷時期によって単価は異なる。
 もうひとつは軟弱野菜等生産出荷促進と事業。ほうれんそう、小松菜、しゅんぎく、きゅうりが対象。ビニール被覆やハウス内加温によって生育促進をはかり、当初計画を上回って集荷した生産者に対し、生育促進のためにかかった経費を助成する。奨励金単価は1kg82円〜63円。生産出荷奨励金は野菜市場の70%のシェアを占める大消費地(京浜、中京、京阪神)に出荷されたものが対象となる。
 さらに、曲がったきゅうりや小玉のキャベツなど通常では出荷されない不ぞろいの並級野菜の出荷にも奨励金を支払う。
 対象品目は、キャベツ、きゅうり、だいこん、ねぎ、はくさい、レタス。これらの品目の並級野菜を大消費地に出荷した生産者には出荷促進奨励金を支払う。交付は品目ごとの平均販売価格をもとに基準価格を決め、それ以下で取引された場合に包装費、運賃相当の一部が支払われる。
 この対策は当面12月まで実施。農水省は今回の対策で大消費地市場に荷を集中させ価格の安定につなげたい考え。なお、野菜の高騰で出荷促進対策が実施されるのは平成10年以来。

(2004.10.27)


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