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米国牛肉輸入再開の阻止で民主党が集会 (10/28)

米国産牛肉の拙速な輸入再開に反対する集会−10月28日 東京・千代田区の憲政記念館
 米国産牛肉の拙速な輸入再開に反対する集会−10月28日 東京・千代田区の憲政記念館

 20ヶ月以下の牛を全頭検査の対象から外すことをテコに、政府は米国産牛肉の輸入再開を急いでいるとして民主党は10月28日、共産党、社民党にも呼びかけて「拙速な輸入再開に反対する国民集会」を都内の憲政記念館で開き、消費者・市民・小売・農業団体、JA関係者らが「今、この時期に、再開で日米合意することは、消費者の信頼を大きく損ね、新たな牛肉離れを引き起こす恐れがある。国民の安全・安心を優先する立場から、再開に断固反対する」との超党派アピールを採択した。
 民主党の川端達夫幹事長は、小泉純一郎首相が米国の大統領選挙までに再開の道を開きたいとブッシュ大統領に約束したといううわさがあるが、会談後の流れを見ると、それが、うわさに過ぎない、とはいい切れないだろうと指摘した。
 また同党の鮫島宗明「次の農水大臣」は、国内の検査体制をさらに整備するのではなく、反対に、それを緩めるといい出したのは国内の制度を米国に合わせようとするもので「正に植民地的、政治的」と批判。その背景には、米国の大手食肉業者のブッシュ大統領支援があると説明した。
 共産党の紙智子農林水産部会長は米国の検査体制などを国会質問で質したが、小泉首相は「私は専門家じゃないから、わからないと答弁した。こんな人に任せて置いてよいのか」と会場を笑わせ、社民党の福島瑞穂党首は「安心して食事ができる政治を超党派で実現しよう」と訴えた。
 また日本スーパーマーケット協会の清水信次会長は「最近やっと牛肉が売れるようになったと思ったら、全頭検査を緩和するといい出した。こんな官僚天国の国は信用できない。早く政治を変えてほしい」と痛烈に小泉政権を批判した。
 さらに消費者・農業者団体からも▽検査コスト上昇を嫌う米国の大手食肉業者▽その支持を受けるブッシュ政権▽同政権と小泉政権の関係▽内閣府の食品安全委員会は御用機関に成り下がった、などの発言があり、輸入再開問題を追及した。

(2004.11.1)


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