長雨や台風で、大豆は今年も減収となり「不作だった昨年産の集荷量18万8800トンを上回ることはないだろう。しかし昨年並みは何とか確保したい」との見込みを大豆情報委員会(全中・全農・全集連主催)が10月29日発表した。
昨年は国産だけでなく米国産も不作だったため価格が高騰したが、今年の米国産は生育が順調であるため状況が違うという。いずれにしても12月の第1回入札が注目される。
大豆は収穫期または成熟期だが、10月20日現在の聞き取りでは、東北、北陸の一部と、九州で大幅な減収が懸念される。
主産地の北海道では、台風による茎葉の損傷で一部地域で品質低下の心配がある▽東北の日本海側では潮風害の打撃が見込まれる▽関東の一部にも台風被害がある▽北陸は粒が小さい傾向。長雨で収穫が遅れ、一部に腐敗粒が発生。富山の被害が特に大きい▽東海は一部に台風による倒伏や浸水がある▽近畿は黒大豆の大産地だが、台風被害がはっきりしない▽中四国には倒伏や葉の損傷があり、子実の充実不足▽九州は倒伏と、その後の雨でサヤが着く数が少ない、などとなっている。
一方、作付面積は13万6800ヘクタールで、前年より1割減少した(農水省発表)。コメ改革による“売れるコメ”の作付や、大豆より収益性の高い作物に転換したことなどが響いた。
15年産の販売は7月で集荷量の100%をほぼ売り切るという異例の早さで、入札販売4割強、相対販売3割強、契約栽培3割弱。
価格は輸入価格の上昇にともなって上がり続け、5月からは下降に転じたが、それでも累計平均価格は60キロ1万13円と前年産の208%となった。
しかし豆腐の購入数量は横ばい、支出金額は減少傾向(総務省統計局)で、消費者への価格転嫁はない。ただ他の加工品で大手メーカーの一部は転嫁した。
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