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牛乳の消費拡大特別事業を説明する日本酪農乳業協会の海野研一会長ら=11月17日、東京・築地の同協会 |
豆乳や茶系飲料などの攻勢で牛乳消費が減り、書き入れ時の夏も今年は猛暑が続いたのに不振に陥った。このため酪農・乳業メーカー・販売店からなる(社)日本酪農乳業協会(Jミルク)は、緊急の消費拡大対策に乗り出した。
来年2月からはスーパーなどの牛乳売場に液晶プレーヤーを置いて店頭広告を展開する。また、牛乳の効用についての情報をテレビ・ラジオに提供して番組企画に反映させたり、食育関連のイベントに出展するなどの取り組みを強化する。
情報提供のポイントは▽ダイエットに牛乳▽美肌をつくる牛乳▽冷え性やカゼの予防に牛乳▽骨を強くする牛乳など。
すでに緊急対策として10月にモニターに聞くWEB調査をした。結果は、この一年間で牛乳類を飲む量が「増えた」という回答は10.5%にとどまり、「減った」は、その2倍以上の22.7%となった。
減少理由は「ほかのものを飲むようになった」がトップで約26%。置き換わった飲料は「豆乳」が45%弱、「茶系飲料」が16%強で、牛乳不振の主因は、競合飲料の台頭と結論づけた。この調査は牛乳飲用者1万8000人を対象にした。
これとは別に、消費者1万2000人の購買データを分析し、今夏2カ月と昨年同期を比べたところ、豆乳、スポーツドリンク、茶系飲料、ミネラルウォーターが大幅に伸びたが、牛乳は95%と前年割れだった。
一方、主要乳業メーカーの営業マンたちの意見を集め、▽牛乳が持つ“太る”“カロリーが高い”といったイメージの払拭▽豆乳の宣伝が“女性の肌がきれいになる”と訴えているように牛乳にも同じ美容効果があることを強調する、などのポイントをまとめた。
しかし牛乳が総合的に優れた飲料であることを、短時間のテレビコマーシャルで訴えるのは至難なので、約5分間の液晶ポッププレーヤーによる店頭放映をPRの核に据えた。
なおJミルクは、牛乳かチーズかヨーグルトのどれかを1日に3回(または3品)飲食する「3−A−Day」(スリー・ア・ディ)という食生活改善運動を続けており、今回の消費拡大特別事業でも、この運動を「始めよう」との訴えを前面に立てる。
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