米国から輸入した箱入り米国産豚肉を積載したコンテナに、BSE発生で禁輸されている米国産牛肉が混じっていたことが動物検疫所の輸入検査で分かり11月18日に農水省が公表した。
このコンテナには606箱の荷が積載されていたが、このうち米政府機関の証明書付きの豚肉586箱(約6800kg)のほかに証明書のない牛肉が20箱(約310kg)が混じっていた。11月1日に米国・シアトルを出港し13日に東京港に入港。16日に動物検疫所の輸入検査で判明した。
豚肉については輸入業者のオーダー数と一致したがこの牛肉は余分の荷だった。農水省による輸入業者への聞き取りでは、米国内に向けに輸送、販売されるはずだったものがシアトルで誤って日本向けのコンテナに積載されたらしいという。箱にはビーフと英語で書かれていた。
農水省は在京米国大使館を通じて原因究明と改善措置を求めている。
この牛肉は全量焼却処分する。費用は国内の輸入業者の負担。確実に焼却されたかどうか、農水省の担当者が立ち会うという。
輸入された畜産物の検査は手続きの効率化のため、輸入港のコンテナターミナルで実施されている。通常の検査では1コンテナあたり最低3箱の抜き取り調査。これまでにも輸出証明書の内容と積み荷が食い違った事例はあったが、牛肉は初めて。
今回の事例を受けて、農水省はBSE、鳥インフルエンザ、豚コレラの発生国から輸入される畜産物についてはコンテナターミナルでの検査ではなく、輸入港の保税倉庫に移してから検査するよう11月17日付けで輸入検査要領を改正した。
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