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長期共済109.1%と順調な推移 JA共済16年度上半期実績 (12/3)

 JA共済連(上原寿宰理事長)は、平成16年度上半期の業績をこのほど発表した。
 それによると、長期共済新規契約高は、保障金額ベースで17兆8855億円で前年同期比109.1%と、大手生保各会社が前年同期実績を下回るなかで、堅調に推移している。
 共済種別にみると、建更共済が同136.1%と大幅に伸長している。要因としては、風・ひょう・雪災にかかる小損害の100%保障など保障を拡充した仕組改訂を実施したこと、頻発した自然災害によって保障ニーズを強く喚起したこととしている。しかし、JA共済の根幹ともいえる生命総合共済は、同81.0%と落ち込んでいる。
 解約・失効率は15年上半期より改善され2.31%となったが、依然として満期共済契約の増加が続いていることから、長期共済の保有契約高(保障金)は15年度末より4兆6036億円の純減(前年同期比98.1%)となっている。
 解約・失効については、大手生保各社も改善されており、「生保離れ」に歯止めがかかり「底を打った」と業界ではみている。
 年金共済は新仕組み「予定利率変動型年金共済」を提供したが、年金年額ベースで758億円(前年同期比78.8%と伸び悩んでいる。なお、年金共済の保有契約高は1兆7350億円(同106.7%)となっている。
 短期共済は、受入掛金ベースで2343億円(前年同期比99.4%)とほぼ前年並みで推移している。短期共済の約7割を占める自動車共済は前年同月比99%、自賠責共済は同97.9%となっている。

◆支払余力率44ポイント増の847%

 総資産は15年度末よりも9611億円増加し、42兆5981億円(前年同期比102.3%)、運用資産は41兆3453億円(同102.3%)となっている。また、基礎利益は、自然災害による事故共済金などの増加により前年度上半期より397億円減少し、1473億円となった。実質純資産額は、前年度上半期より20億円増加し、6兆1782億円となっており、依然健全な経営状況を維持している。
 経営の健全性を判断する主要な指標である支払余力(ソルベンシー・マージン)比率は、前年度上半期より44ポイント増加し、847%と健全な経営を維持している。
 JA共済連では、度重なる台風や新潟県中越地震など頻発した自然災害で、共済金支払額は増加する見通しだが、諸リスクに備えた異常危険準備金を計画的に積み立てていること、海外への再保険を行なっていることから、経営への影響は限定的であり、今年度末の支払余力比率は15年度並みの水準を確保できる見通しとみている。

(2004.12.3)


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