食品安全について緊急事態に備える基本指針を農水省が2月17日発表した。これまでは牛海綿状脳症(BSE)問題や食中毒事件など個別の事態についての対応マニュアルだけがあり、鳥インフルエンザなども含め、それぞれに対策本部を設置しているが、新しい指針は同省全体に共通する対応事項を定め、平時から情報を集めて分析し、リスクを管理。それを公開する。
緊急事態としては、被害が大規模な食中毒事件のようなケースとか、新型ウイルスのような科学的知見が十分でない原因で被害が出たり、また発生する恐れがある場合などを想定した。これをもとに緊急時にとる措置などを整理した。
指針は、農畜産物の生産資材に原因がある場合、農薬・肥料・飼料・動物用医薬品などの製造業者に資材の供給停止と回収を指示することなどを例示した。
また緊急事態が発生しないように、平時から安全に関する情報収集先をリストアップし、定期的に情報をチェックする。
収集先には農林水産物、食品、生産資材の生産と流通の業者も含まれる。国際機関や海外政府機関などとは情報だけでなく、意見交換にも努める方針。
今後は指針をもとに、緊急事態をいくつかに類型化して具体的なガイドラインをつくるが、例えば「生産資材による事故」などを1つの類型にくくることも考えられる。
(2004.2.19)