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肥料価格 3年ぶり値上げ−JA全農 (6/29)

 JA全農は16年肥料年度の主要品目の価格を6月29日、公表した。
 品目によって変動率は異なるが前年にくらべて全品目で値上がりした。値上げは3年ぶり。
 単肥では、硫安(成分21%)が6.24%、輸入尿素(同46%)が3.89%など。複合肥料では高度化成(一般、成分15-15-15)は、アラジン(14-14-14)が3.45%の値上げなどとなった。

主要品目価格決定内容
*変動率は対県渡しベース。JA・農家向け供給価格とは一致しない。また、加里の高い銘柄や緩効性・硝酸態窒素の高い銘柄は基準銘柄を超える値上がり幅となる

 価格交渉でメーカー各社は、原油価格の高騰にナフサ価格の上昇、リン鉱石・加里などの山元価格の値上がり、海上運賃の高騰などの要因から大幅な値上げを要求し、とくに主要品目の高度化成は6%から9%の値上げ要求が出た。
 一方、JA全農は生産者にとって生産資材コスト削減が切実な課題となっていることから、一層の合理化努力で吸収するよう求めて交渉を続けてきた。
 輸入原料価格については為替を前年度の1ドル116円より円高の同109円と設定したが、山元価格の海上運賃の高騰分が吸収できなかったという。
 ただし、高度化成(一般)は競争の激しい品目であることから上げ幅の圧縮に務めた。同品目で3%を超える値上げは平成3年以来。
 
■地域ごとに価格設定

 ホームセンターなどとの競争の激しい国産化成肥料(14-14-14、8-8-8)は、今回は全国価格を設定せず、今後、事業改革で打ち出した「競争に負けない価格設定」の考え方に基づいて、地域ごとの価格設定を交渉していく。
 また、アラジンやBB肥料など低コスト資材に普及に取り組むほか、高付加価値農産物の生産、施肥の省力化に対応する機能性肥料の開発や普及にもJA全農では取り組むとしている。
 そのほか県域配送など物流合理化によるコスト削減による価格引き下げにも取り組む。 

(2004.7.2)


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