JA全中はこのほど第23回JA全国大会決議の実践状況調査をまとめた。調査時点は今年3月末現在。852JA(901JA中)が回答した。
生産履歴記帳運動は92.7%のJAが実施。しかし、JAで生産されるすべての品目、地域で実施されている状況ではなく今後、中身の充実が課題となっている。
また、生産履歴記帳運動が運営規程や生産基準などにそって実施されているかどうかをチェックする内部検査委員会を設置しているのは28%のJAにとどまっている。大会決議での目標は18年度末で50%のJAで設置となっている。
食の安全・安心に関わる危機発生時に対応するマニュアルを策定しているのは23.6%。このうち職員に周知徹底されているJAは半数で残りはJA内で共有化されていない。
地域農業戦略を策定済みのJAは68.7%で、このうち販売戦略まで明確化しているのは79.2%となっている。ただし、全品目、全販売チャネルで明確化されているのは19.2%にとどまっている。また、担い手を類型化してそれぞれの担い手層に応じた対策を盛り込んでいるのは42.5%となった。
■市況調査実施JAは7割
大規模農家・法人への対応も課題だが、もっとも多い対応の内容は、生産資材購買の大口割引などの実施で72.9%のJAが実施している。しかし、専任担当制は12.3%のJAでしか確立しておらず、大規模農家・法人の組織化は20.1%、JAトップ層との意見交換の実施は18.2%にとどまっている。
営農指導員の目標管理制度の導入は今後の課題となっているが、調査時点ですでに導入しているJAは21.7%。導入を検討しているのは35.7%となっている。
また、生産資材の市況の激しい汎用農薬について競合店との価格調査を実施したJAは69.1%ある。調査実施したJAのうち、「JAのほうが高い品目があった」との回答は82.2%あった。調査の結果、「農家渡し価格の引き下げを行った」のは67.3%。「JAグリーンなど店舗での供給価格引き下げを行った」のは61.1%、「予約品についても農家渡し価格引き下げを行った」のは81.6%にのぼった。
大会決議実践状況については10月に全県中央会を対象に調査を実施する予定。結果をふまえて目標達成に向けた具体策、課題の明確化をはかることにしている。また、11月には「第23回JA全国大会決議実践交流集会」を東京と大阪で開催する。 |