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補助金削減「ゼロ回答」 農水省の代替案 (10/28)

 全国知事会など地方6団体は、農水関係で3089億円の国庫補助金削減案を示して税源移譲を求めていたが、農水省は10月28日、これに代わる改革案をまとめて内閣官房に提出した。内容は、すでに来年度概算要求で縮減した分を盛り込んで改革案とし、税源移譲はなく、地方団体側にとっては実質的に「ゼロ回答」の代替案となった。
 補助金から交付金へと名目を変えた手法が目立つ。交付金は使い方が余り制限されず、分野別に裁量幅が広いが、配分権限は国に残る。石原葵農水事務次官は「食料自給率の向上や国土保全は国の責任」としている。内容の一部は次の通り。
 現行の補助事業は目的ごとに細分化され、その数約180。これを骨太の目的別にくくって7つの交付金に統合する。その予算額は計1527億円。
 治山事業は複数県にまたがるなどの理由で、国が個所づけをする補助金制度をそのまま残し、交付金化はしない。しかし国と地方が協議会を持ち、地方の自主性と裁量性を高める措置をとる。958億円。
 農業委員会と普及関係の交付金は組織のスリム化で51億円を縮減するが、これはすでに縮減が決まっているものを改革案に入れた。 税財政改革(三位一体改革)で地方側は合計3兆2000億円の補助金削減案を示したが、この日、出そろった8府省の削減額は合計約1兆円。うち農水、文科、国交の3省は「ゼロ回答」だった。今後の調整で難航は必至とみられる。

(2004.11.1)


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