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EPA交渉の展開加速の状況 フォーラムが学習会 (12/13)

 自由貿易協定(FTA)を軸とした経済連携協定(EPA)を結ぶ交渉が東南アジア諸国連合(ASEAN)4カ国との間で進行中だが、ASEAN全体(10カ国)との交渉は来年4月から始まる予定。日本はアジア各国との交渉を優先させてきたが、その後に続く域外の交渉相手国としてはチリとインドの名が挙がっている。農水省の内藤邦男国際部長は12月13日「各国から協定を望む声がある。政府はアジアの次ぎに、どこの国を交渉の対象にするか各省で協議している」と語った。
EPA・FTAの学習会で報告する農水省の内藤邦男国際部長。13日、東京・大手町のJAビル。
EPA・FTAの学習会で報告する農水省の内藤邦男国際部長。13日、東京・大手町のJAビル。
 「食料・農林漁業・環境フォーラム」が都内のJAビルで開いたFTAとEPAの学習会で報告した内藤部長は、質問に答えて「チリの場合は鉱物資源の安定的な輸入、インドについては日印の経済関係を幅広く強化するねらいなどが挙げられる」と説明した。
 交渉は、まず事前協議、次いで2国間の産学官共同研究会を経て政府間交渉に入るが、チリ、インドについてはすでに共同研究会の設置を検討中だという。また交渉は、複数国を相手に並行して進める方式だ。
 すでにシンガポール、メキシコの両国とは協定を締結。11月にはフィリピンと大筋で合意した。日比の内容を農畜産物で見ると▽アスパラガス、オクラなどの関税撤廃▽牛豚肉などは再協議▽米麦などは撤廃の対象から除外したなど。
 またEPA推進にはアジアの農山村の貧困を解消するねらいがあるため主として零細農家が生産するモンキーバナナは、大きめのバナナと区別して10年間に段階的に関税を撤廃するなどの配慮もしたとのことだ。
 このほか韓国、タイ、マレーシアと交渉中だが、内藤部長は「お互いの経済発展に役立つ約束を目指して協定締結を推進したい」と強調した。
 なお学習会にはJAグループ、学者、消費者団体、労組などから参加した。
(2004.12.15)


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