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JA全農、大豆の消費拡大へ 産地と一体で営業強化
遺伝子組み換え大豆問題もあって国産大豆の評価は高いが、値段のほうはさっぱり。 昨年産の交付金対象大豆は1月の入札で60キロ7745円と前月より237円下げた。 出回り量が前年より大幅に増えたことと、近年は販売期間の後半にかけて値下がりする ようになっているためだとJA全農などでつくる大豆情報委員会はいう。 このためJA全農は、通常の販売ルート以外に、産地での地場需要も拡大するよう経 済連とJAに呼びかけ、3月の営業活動を全国的に強化する。 昨年11月から今年1月までの累計では、平均販売価格が7861円と前年同期比で 1960円も値下がりだ。主要銘柄別でも、ほとんどが前年より1、2割下がった。落 札率も38.7%にとどまっている。 これは出回り数量が前年産より大幅に増加しているためだ。昨年末までの集荷数量は 4万4750トンで前年産同期より約1万500トン増だ。昨年産の最終集荷量は9万 1227トン(全農分)を見込み、これは前年より3割も多い。 しかし需要動向には大きな変化がないと大豆情報委員会はみる。食品企業は国産大豆 の使用量を増やす意向で98年産との対比では99年産で12%、2000年産では2 4%の増加を見込む(国産大豆協議会の調査から)。 ところが消費面では豆腐を買う金額が98年12月から、納豆が昨年5月から前年同月比でずっとマイナスを続けている (総務庁の家計調査から)。これは不況の影響ともみられる。 こうしたマイナス動向を注視しながら、全農は2月から営業活動を強化し、とくに3 月の販売に全力を挙げる。今月の動向が秋にかけての相場に決定的に響くとされるから だ。また後半期の値下がり傾向は、早い時期に手当した「玉」が差損をはらむことにな るため買い手側にとっても本来、避けるべき事態だとする。 対策としては全農だけでなく産地の経済連とJAが地場消費の拡大に努め、前年差に 比べた集荷量の増加分をできる限り通常ルート以外で販売する。このため県別の消化数量を示した。 また全農と各経済連が販売プロジェクトをつくる。 全農としては ▽国産大豆の使用比率が低い生協に対する販促 ▽量販店やAコープでの 店頭実態調査を3月中にまとめる ▽豆腐、煮豆などの食品製造業界との情報交換▽問屋 との懇談会開催などを精力的に進める。 全農の農産部特産課では 「やれることは何でもやっていく」 と意気込む。 来年からは大豆、麦を本作とする新たな水田営農対策で新制度に移行するため今年の 販売対策はとくに重要との位置づけだ。 |
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