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一般消費者の農薬への不信感が増大する中で
正しい理解を広める広報活動の強化を
農薬工業会 会長 山本 佳彦


山本 佳彦氏

 近年、世界的に経済社会が大きく変貌する中で、わが国の経済社会も国際化の著しい伸展の下、急激な変化を遂げております。このような動きは、当業界にも及び、昨今、会社や農薬事業部門の合併、統合、買収等が活発に進行しております。これら農薬業界の再編成は、国内のみならず世界的視野で優秀な創製、販売の拡大等経営力の強化や将来展望構築への足固めと言われております。こうした中、新春を迎え、業界のますますのご発展を切望するものであります。
 日本農業に目を転じますと過去最大規模の水稲の生産調整や輸入農産物の増加、そして先進国の中でも最低の食料自給率(平成13年40%)、更には農業者の高齢化及び担い手不足など、わが国農業は極めて厳しい状況にあります。
 このような状況の中で農業発展の展望は、生産者及び消費者1人ひとりが国内農業の重要性と農業の果たしている有形無形の役割を十二分に理解することから開けるのではなかろうかと考えます。
 農薬業界は、社会的使命感をもって、食料の安定供給と品質の向上、更には農業労働力の軽減を目指し、安全性の高い農薬の合理的な価格での供給を通じて、わが国農業・農村の発展に貢献してきたところであり、今後とも一層の努力を傾注して参ります。
 これら農業の厳しさに加えて、昨今、BSEの発生、産地等の虚偽表示、牛肉処理偽装、輸入農産物からの残留農薬検出等による安全性懸念、更には無登録農薬問題等々から消費者・国民の「食」の安全性に対する不信感が増大してきております。
 当会は、従来から農薬の果たしている役割、安全性、適正な使用方法等について積極的な広報活動を展開してきております。
 一般消費者の農薬に対する不信感は、その多くは、誤った情報に起因すると言われております。農薬についての正しい理解を広めるため、広報活動の一層の強化を図り農薬に対する信頼性の向上に努め、更なる発展を期して行きたいと考えております。




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