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業界全体が国の主食を預かるプライドと責任持って
「研がずに炊けておいしい」「環境にやさしい」無洗米の普及へ
株式会社東洋精米機製作所 代表取締役社長 雜賀 慶二


雜賀 慶二氏

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 さて、昨年は食品業界にとって激動の1年でありました。一昨年のBSE問題に始まり、偽装表示問題、残留農薬問題などが頻発し、食の安全性に関する様々な問題が顕在化致しました。米穀業界におきましても、産地や銘柄の偽装表示が指摘され、主食たる米に対する信頼までも低下することとなりました。
 このような状況の中、最先発である弊社のBG無洗米は、お蔭様でその品質に対して高いご評価を賜り、当初より約10年をかけて、いわゆる無洗米時代を構築して参りました。その一方で多くの後発無洗米が市場に出回り、その中には、ヌカが完全に取りきれていなかったり、うまみ層組織が保全されていないために食味が悪いものや、製造工程でとぎ汁をたれ流し環境に悪影響を与えるものなど、無洗米の信頼を失いかねないものも多く見受けられます。無洗米は本来、「研がずに炊けておいしい」「環境にやさしい」という優れた特長を持った米として弊社が開発したものですから、それを信じて購入する消費者の期待を裏切るような行為は、一連の偽装事件から伺える「モラルの崩壊」にもつながるものだと考えます。
 最近になり、この無洗米について、国が明確な基準を設定しようとする動きが出始めておりますが、申し上げるまでもなく、この基準は業界や企業のためではなく、「消費者利益」を最優先に考えなければならず、必然的に消費者の批判に耐えられるものでなければなりません。今回の国による基準づくりも、元はといえば業界のモラルの低さ故に必要となったものといえますが、業界全体が襟を正し、我が国の主食を預かる業界としてのプライドと責任を持って、消費者の信頼に応えて行かなければなりません。
 弊社と致しましては、無洗米のパイオニアとして高度の無洗米技術を提供することで消費者の信頼に応えると共に、業界の発展に尽力して参りたいと存じます。本年もよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。




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