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協同組合活動の原点に立ち
JA組織の前進で明るい展望を
社団法人農協協会 会長 中川 敞行


中川 敞行氏

 新年明けましておめでとうございます。
 年頭に当たりまして、皆様方より賜りましたご支援とご協力に対しまして厚く御礼申し上げます。
 私の新年のご挨拶は今年で3回目になります。21世紀に入ってからの2年間、政治・経済・社会は沈滞したままで、新年の願いとは裏腹に、閉塞感は益々強まって参りました。
 農業の世界においても、食品の偽装表示事件、無登録農薬問題が惹起し流通の根底はゆるがされ、消費者の信頼を裏切ったのでした。また、米政策の改革、WTO対策の具体的展開は本年度に持ち越され、今後の推移が懸念されます。
 私見ではありますが、総体的にみて現状の社会、経済の仕組み、形式、枠組みが制度疲労を起こしているように思われます。20世紀における資本主義体制の発展は皆様ご案内の通りです。しかしながら市場経済拡大主義は弱肉強食をもたらし、歪みを増大させています。この百年の間に社会環境は大きく変わり、さらに昨今はITの社会化も加わり、NPO、NGOの組織が増加しつつあります。資本主義による歪みを是正しようというもののようです。
 本年度は第23回JA全国大会が秋に開催され、今後の事業展望が明示され、その改革案が提案されることと思います。JAグループの合併も進み、組織も整備されてきつつありますが、形ばかりの感がしないでもありません。
 組合員―農協―県本部(県連)―全国連を通ずる改革は容易なことではないでしょう。「佛を作って魂入れず」という諺がありますが、魂こそ全中宮田会長がいわれる「農の心」だと思います。農の心は自然と共生し、人(生産者)と人(消費者)との絆を太くしていくことであると思います。協同組合活動の原点は、人と人との扶け合い、絆をつくることです。改めて協同組合活動の再認識と行動により改革は進むことでしょう。
 当協会も微力ではありますが、各地域JAの協同組合活動に資する情報、資料等全力を尽くして提供して参る所存でございます。そして協同組合活動が前進し、明るい展望が開けますよう祈念申し上げる次第であります。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。




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