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量販店からみた農産物防除
農薬の安全性を正確に消費者に伝える必要が

 −イトーヨーカドー食品事業部 戸井和久氏に聞く


 いま、一般消費者が生鮮野菜を購入するのは、大半が量販店だ。そこで、イトーヨーカドー食品事業部青果部の戸井和久シニアマーチャンダイザーに、野菜の防除についてどう考えているのか聞いてみた。



 戸井さんは「お客様は、安心・安全・健康について敏感になって」いる。そして農薬には「バットイメージが大きい」という。そのため小売サイドも「売りにつながる有機や減農薬に走りがちな傾向にあるのではないか」とも。こうした消費者の農薬に対するイメージは、マスコミによる影響が大きいという。

 生産者向けには農薬の安全性がPRされるが、消費者に対しては「昔とは違うということをPRしきれていないし、情報公開の場が少ない」とも指摘する。
 戸井さん個人としては、農薬を「与えなくてすむのならそれにこしたことはない」と考えているが、「人間が病気になれば、自分の体にあった薬を適切に安全を守って飲むのと同じです。日本の気候風土といった環境の中で農産物を作るためには必要なものもありますし、使用についての規制もあるわけです。有機とは何か、農薬とは何で、どう使われているかを、正確に伝える時期にきている」と考えている。

 すでに、イトーヨーカドーでは、生産者集団・個人と防除も含めた栽培方法を契約(特別栽培)した野菜を店頭販売しているが、防除日誌の記帳など全農の安全防除運動とほぼ同様の方法がとられている。他の量販店でもほぼ同様なことが行われおり、消費者からは「認知された」と戸井さんはみている。出所がはっきりし、安全性について生産・販売サイドが責任をもてば、消費者も認めるということだろう。

 こうした「いいものをつくろう」「いいものを販売しよう」という努力をさらに大きく広げるためには、戸井さんがいうような農薬についての正確な情報を正しく消費者に伝えるためのPRを、行政もJAグループもメーカーも、量販店などの協力をあおぎ、恐れることなく進めなくてはいけないのではないだろうか。

 

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