希望価格の設定は慎重にーJA全農が自主米入札で見解 |
8月8日に実施された12年産自主流通米第1回入札の結果を受け、JA全農米穀販売部が今後の対応について見解を発表している。 今後の対応では、まず11年産米の販売について@8月9日時点で未契約数量が27万トンとなっておりこの販売に全力で取り組む。A販売残が発生した場合は対策を講じる必要があることから銘柄別販売残数量をとりまとめる。B11月以降古米として卸が必要とする米は相手先を結びつけて計画的に販売するため持ち越しとする。Cさらに残る米については加工用米と交換するなどの対策を検討する、としている。 ミニマム・アクセス米の処理、根本的な検討が必要 さらに12年産米については先に全中が提起した緊急対策の検討メモをふまえ、@政府の在庫処理対策、A政府米の買い入れ、B11年自主流通米の在庫対策、C豊作の場合の別途処理対策、D稲作経営安定対策の充実、EMA米対策、などを国に求めていく方針を打ち出した。 このためとくに「政府米の買い入れ」、「別途処理策」、「MA米対策」に対する国の取り組みを重視していく。 一方、JAグループとしては、@計画流通米の確実な集荷と計画外流通米の圧縮、県間競争の排除と入札のおける希望申出価格の慎重な対応、を確実に実践する方針だ。 この秋、米政策の抜本的な見直しも 農水省は、今後、まず12年産米の緊急対策を決めその後13年産以降の対策を詰めていく方針だ。ただ、米政策の抜本的な見直しを図る観点から、緊急対策の議論の際に、生産調整のあり方など含めた政策の全体像を示すことが必要との考えがある。そのため政策全体の検討方向、論点などを8月22日の自民党農業基本政策小委員会に示し議論を始めた。 一方、JAグループなど生産者団体には、需給の見通しがこれほど頻繁に狂うのは、米価を市場原理に委ねる新食糧法そのものの欠陥という指摘もある。とくにMA米が需給と価格に影響を与えていることをまず問題にすべきだという声は根強い。米価安定のために生産調整を拡大するにしても、MA米対策が明確に打ち出されなければ、ウルグアイ・ラウンド合意以来の「輸入しながらなぜ減反するのか」という不満はますます募るばかりだ。 ただし、当面の米価の確保のためにはJAグループにも課題がある。なかでももっとも重要とされるのが、入札時の希望申出価格の設定だ。第1回入札では、卸サイドも驚くほど低価格での希望価格申出があったとされる。 こうしたなかで8月29日には第2回入札を迎え、本格的な通年玉の価格形成が行われることになる。 |