生産調整面積5万ha拡大 緊急総合米対策決まる | |
自主流通米価格の下落を食い止めるための「緊急総合米対策」が9月28日に決まった。米の需給と稲作経営の安定を図る観点から、市場隔離や生産オーバー分の飼料用処理、さらに13年産では生産調整を5万ha拡大し101万3000haとするなどの対策を打ち出した。 |
|
最大で10万haの拡大 政府が見込んだ今年10月末の在庫は280万トン。これに12年産の作況指数が103となったことから生産オーバー分26万トン程度を加えると310万トン近くになる。 これらの対策に12年産と13年産の従来の生産調整面積96万3000ha(2年間で70万トン分の生産減)を加えると185万トンの生産減となることから、14年10月末には125万トン(310万トン−185万トン)に在庫が縮減すると政府は見通している。 政府買い入れについては、緊急拡大に取り組む都道府県から、生産調整が未達成の場合は売り戻すことを条件に、合計25万トンを買い入れる。このため、生産オーバー分の飼料処理用として政府在庫米と交換される15万トンと合わせて40万トンを政府は買い入れることになった。 自主米の整然とした販売も課題 このほか、11年産自主流通米の販売残(20万トン)のうち、今後販売見込みがないものについては、政府在庫米と交換して加工用等に処理することにした。また、12年産米の整然とした販売を図るため、13米穀年度当初から自主流通法人による一元的な調整保管を実施、合わせて需給事情に応じて政府在庫米と差し替えて加工用等に処理する手法も導入する。されにリベート販売の監視強化、精米表示の指導の徹底も行うとともに、入札取引のあり方についても検討するとしている。 稲経にも特例対応 稲作経営安定対策についても「臨時応急特例な対応」として次のような内容が決まった。 @12年産米に対する特別支払いは、補てん金支払い後の残高の範囲内で補てん基準価格の1%相当額を支払う。昨年は、特別支払いについては残高が1年分以上ある場合に限られたがこの条件をなくした。 なお、備蓄については適正水準や維持するための方法などを検討し来年夏までをめどの結論を出すとともに、新たな経営所得安定対策について速やかに検討に入ることにしている。 緊急対策の決定を受けてJA全中・原田会長とJA全農・大池会長はコメントを発表。「需給と価格の安定を願うJAグループとして多大な評価がなされうるものであり、自主流通米価格に適正に反映されるよう一致団結して確実な実行を図る決意である」とし、とくに入札の申出価格についての慎重な対応とリベートの廃止を呼びかけている。 |