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解説記事 |
農家のパソコン所有は50%を超えたが −−農水省「農家のパソコン・インターネット利用状況」調査を読んで |
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◆2年で倍増したパソコン所有 農水省は昨年11月に行った「農家のパソコン・インターネット利用状況アンケート調査」の結果を、1月31日に発表した。 ◆地域によってまだ格差が パソコン所有率を部門別にみると花き・花木59%、施設野菜58.2%、酪農54.4%が高く、肉用牛40.7%、その他畜産45.5%、露地野菜46.3%などが平均を下回り、花き・花木と肉用牛では18.3ポイントの差がある。地域別には東海64.4%、近畿64.1%の所有率が高く、東北47.1%、九州・沖縄39.4%の所有率が低く東海と九州・沖縄では25ポイントも差がある。とくに九州・沖縄では「パソコンを購入する予定がない」という農家が43.5%もあり、他地域の22.6〜35%と際だった対照をみせている。 ◆意外と低い農業経営への活用 パソコンを農業経営に利用している農家は、パソコン所有者の18.2%で、今後利用する予定を含めても45.7%に対して、「農業経営に利用する予定がない」は52.8と半数を超えている。このデータをみる限りでは、パソコン導入が必ずしも農家経営の効率化・省力化のためではないということになる。地域別にみると、パソコン所有率の高い東海で、今後利用する予定を含めて37.7%と低いことがここでは際だっている。 ◆高い携帯電話の普及率 この調査では、携帯電話の普及状況についても調査しているが、携帯電話を所有している農家は74.3%とパソコン所有を大きく上回っている。携帯電話の場合には1家1台というよりは複数台あることも考えられ実際の普及率はもっと高いと推測される。さらに、携帯電話によるインターネット利用率は42%とパソコンによる利用を10ポイント近く上回っていることが注目される。 ◆求められるJAの積極的な取り組み インターネットの利用環境が整ってきたことや、パソコン自体が従来に比べて使いやすくなったこともあって、都市部に比べて遅れているといわれた農村部でのパソコン普及が進んできていることが、この調査によって分かる。しかし、それが必ずしも農家経営に活かされていないという実態も見えてくる。これは、パソコンを経営に活かすためのノウハウの蓄積やインターネットを利用した農家に役立つ情報提供が、JAやJAグループに不足しているためではないだろうか。 |