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解説記事
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特別寄稿 |
21世紀の初頭の大きな変化の時代、とくに今後10年をいかに乗り切るかがJAにとって重要な状況にある。 ◆組合員の世代交代などへの対応 ○次世代対策 ○1戸複数組合員制度の徹底 ○准組合員化などの対策 ○非農家の正組合員化の可能性検討 ◆女性組織や高齢者組織など、組合員組織の活性化対策 女性組織や高齢者組織など、組合員組織について、自主性や一人一人の主体的なやる気の出る取り組みをすすめることが必要である。直売所や助け合い組織などでも女性部員を含めて自主的に取り組むことの方がやりがいがある。実利・実益のある取り組みをすれば、女性や高齢者も元気になることがファーマーズマーケット(以下、FMと略称)に出荷している人が元気であることで証明されている。また、女性組織などの目的別活動が、加工事業(惣菜を含む)、農家レストランなど新たな事業に発展している場合も多く見られるが、地域経済の発展の観点からJAとして融資や経営指導を行い、起業支援し、そのことを通じて、JAの融資などにつながるといった考え方をとることが必要である。 ◆本格的なJAによる農業生産などへの関与 農業生産法人の支援を含め、JA出資法人による農業生産や、認定農業者などの抱えている課題やJAに対するニーズをきめ細かく把握して対応することが求められる。山形県JAおきたまでは、認定農業者などを応援する支援対策室を設置して要望を把握し、具体化の取り組みを進めている。また、JA出資の農業生産法人においても各種の支援を行い、着実に成果をあげており、こうした各地のJAの取り組みを参考にして取り組むことが求められている。 ◆集落などを基礎とした組合員・地域住民のニーズへの積極的な対応 JAの存在は本来は、集落機能の上に各種の情報連絡、集落座談会などを通じて行われていた。しかし、近年では集落機能が低下するとともに、JAの合併と支所の統廃合でJAとしても対応ができない状況になっている。 ◆求められるJAとしての地域政策の確立・実践 ○市町村・商工会など地域の関係諸機関への住民の立場からの 地方分権のもとで、財政面での地方自治は国や都道府県の反対もあって徹底されていないが、各種の施策については、市町村長の意欲で行える部分が広がっている。同時に町村、特に中山間地域においては、従来のような手厚い地方交付税措置はなくなること、さらに平成17年3月末の市町村合併の特例があるものの、合併しない人口1万人以下の町村は行政の権限自体も縮小し、県や他の市に委託させられるなど、地方の切捨てが起きる状況にある。それだけに市町村長にとっても人口減少のもとで、地域の生き残りをどうするかが、大きな課題となっている。 ◆部門収支への対応と信用・共済事業 地域経済がきびしくなる中で、JAの部門別収支のあり方が問われている。1つは、JAバンクの発足に伴い、経営健全化の観点から2年続けての赤字部門については事業の撤退を含めて、経営改善が義務づけられている。販売事業や生産資材の購買事業でも収支の改善が求められている。従来のように、信用事業や共済事業の収益から補填するということは出来ない状況にある。販売事業については市場への出荷手数料だけでは、赤字にならざるを得ない状況にある。それだけに直販、FM(一般的には手数料は15%)など、多様な販売方法の確立により収支の均衡をはかることが必要である。 ◆JA役職員の課題 ある意味で当然であるが、JA役職員は、組合員・地域本位の取り組みが基本であることを再確認することが求められる。ちょうど地方公務員が住民に対する奉仕者としての役割と自覚が求められているのと同様に、JAの役職員についても組合員および地域社会への奉仕者としての姿勢が求められよう。特に地域が大きく変貌するなかで、JA役職員が集落に入り、そこで住民の一員としてもどのような地域をつくるか、農地をいかに守るかという点から取り組みをすすめることが求められる。JAえちご上越では、役職員によるボランティア活動などの取り組みを行い、意識改革を働きかけており、こうした取り組みが今後、いっそう重要になるとみられる。 ― おわりに ― |