農業協同組合新聞 JACOM
   
解説記事

経営自立に支援策をJAに価格サービスで努力要望
―(社)農協協会 15年度大規模農家・生産法人アンケート結果―
関連記事: 販売チャネルの多様化など健闘する農業生産法人 八木宏典 東京大学大学院教授


表1

表2

図1

図2

図3

図4

図5


回答者の意見

 調査では、回答者の声を自由記入してもらう項目もある。JAに対する要望などおもな意見を紹介する。

C06 JAの生産資材販売について何を要望しますか。

●カードは自ら切るべき→今度はJAの番
●予約にはもっとサービスを!
●新商品も含め、安全性、品質等の情報提供! 回覧だけですますな!!
●多く買う人には価格を下げてほしい
●情報を得ること、価格の引き下げ、大口需要に対する奨励金
●米価下落のおり、生産資材の価格の見直して
●生産資材、燃料、共に業者よりもJAが高い
●転作がらみで在庫が出るので引取ってほしい。注文書が早すぎる
●肥料、農業等に関しての正しい情報
●職員の中には生産資材について良く知っている人はいるが、その人たちが生かされてない。
●共同購入のメリットと職員の価格決定権を大きくしてもらいたい
●商品リスト、新製品のカタログの配布、品数の多様化
●商社よりも高い スケールメリットを考える必要があるのでは
●一般農家並みの軽い考え方が悪い 真剣味のある対応
●大口購入メリットがうすい!! 購入金額に応じない。交渉、入札できない!!
●ホームセンターの価格よりも農協の方が高い場合が90%である。今までの農協の営業ではリストラ、集約、削り、多々変更することを望んでいないし、職員は不勉強で前向きな姿勢が見られない。期待薄。
●県下で一番安く良い品を自信を持って出してほしい。できないはずはない。
●新商品がない。いつも1〜2年後だ
●全農による大量仕入れにより価格下げを望む
●JAが大きくなっても販売価格が下がらない
●農協の生産資材取扱いは多いのに価格に反映されていないような気がする
●先ず加入が前提になっている
●JAは全国ネットなので価格をホームセンターより安く

F07 今回の米政策改革大綱全般について(賛成の理由)

●良いおいしい米が生産できるから
●米価の安定に期待したい。
●作れば売れる時代は終り、早く足腰の強い農業にするべき
●少し視点を変えてみると、まあまあかな
●耕作業を中心に農業経営を安定すべき
●農業も米も競争力をつけるべきであるから
●大規模農家で農業経営の話し合いが出来る
●米作りについて規制が多すぎるので、ある程度自由作付けの方向になりつつあるから。
●治山治水等、農林業の活性化と水田の多面的機能が今後必要である。
●米が主食でなくなっていることの認識の欠如、米は主要食料(糧でない)の位置づけが必要
●今までの米政策は市場経済を無視した農業関係独占だったと思う
●農業経営者に、ある程度主体性をもたせるので前よりよいから賛成です
●自己責任のもと、マーケット主導の自由が保障されたから
●販売力のある農業者は自己の責任において自由に生産できると理解すれば賛成である
●近い将来こうなるとは予測できた
●農業経営に自由な発想が生かせそうだから
●いずれWTO等で米に対する見方が変わり国内の稲作農家育成がすすむ
●専・兼業の区別をはっきりさせたから
●改革がないと農業(食料生産)の将来はない
●一律政策の見直しが図られることに期待
●担い手農家育成の方向に進んでほしい

G02 今回の政府のWTO農業交渉について

●ルール無き自由貿易は国を滅ぼすと考えます。それぞれの国の文化経済の状況を考慮に入れて、永い時間をかけて一定のルールのもとに自由化すべき
●農業分野だけでなく工業等も含めて全品目を同じ歩調で
●我々農民はいつでも、資本主義者の捨石となっている
●農業は国の基本であり、農薬汚染の食を輸入することはよく考えて。日本民族を守るには食品自給率をもっと上げるべきである
●日本にとって日本経済全体での枠であって、農業交渉は自国全体の経済との関係であると思うので国民の意思が左右すると思う。
●自給率50%以内での農産物交渉をする(不足している品目のみを入れるべき)
●自由な農業で良い
●世界食管を強力に推進すべき
●先進国は途上国に無償或いは低価格で提供すべき
●農政に対する明確なビジョンが伝わってこない。

H01 これから必要とされる政府の支援政策

●食糧自給率を上げるべき
●農業制度、助成金の廃止と見直し
●消費拡大のためのとりくみ
●消費者にも勉強してもらう機会を作る
●三大都市圏の生産緑地を農地として認める
●農業で生計をたてている者に対してあらゆる直接支援
●政策が現場の農家とあっていない
●経営者教育が必要
●農業者が自立できる将来展望を確立できるようにする
●米中心の政策の見直し
●生産の振興から、いかにして農産物を食べて頂くか(消費)、ということへの施策のシフト
●消費者の立場だけでなく生産者側の事も考え、過剰な農薬関係の報道は控えるべき。一部の違反者のために相当な打撃を受けた
●農業者の自立を支援して欲しい。ベンチャービジネスとしての農業を考えたい
●何でもかんでも考えてくれるのはありがたいが、国が財政破綻していては意味がないので、人のことより自分の心配を先に。
●大規模農家なら個人も複数経営も公平な補助制度であること

調査内容の概要

A、生産法人の設立年と法人形態、出資金について
(1)法人の設立年と現在の出資金 (2)法人の形態 (3) 出資者 (4)役員数と従業員数

B、生産法人の経営規模について
(1)経営耕地面積 (2)耕種部門の生産面積 (3)農産物の販売額と販売先別割合 (4)家畜の飼養頭数 (5)農産物の販売額は3年前に比べてどうか (6)営農類型 (7)農産物売上高 (8)経営多角化事業への取り組み 

C、生産資材の購入について
(1)生産資材の購入額と購入先別の割合 (2)生産資材購入でのJA利用、JAを利用する理由、利用しない理由 (3)JA・商店の生産資材に関する推進(営業)の訪問頻度 (4)その他

D、 農業機械について
(1)昨年購入した農業機械 (2)JAの農機センターの利用状況 (3)その評価

E、肥料について
(1)10トン車満車直行を取引条件とした場合の受け入れについて (2)ホームセンターや農業資材専門店等の利用 (3)肥料を選定する目安 (4)土壌診断

F、米政策改革大綱とコメについて
(1)「農業者・農業者団体が需要に応じた生産を主体的判断で決める」について、(2)米の生産数量を目標配分する数量調整方式に移行することについて (3)「国が示すガイドラインの範囲内で、地域において自らが助成金の使い方や単価について設定できるよう、助成制度を見直す」について (4)「これまでの計画流通米と計画外流通米の枠をはずし、多様な取引に即した価格形成がなされるようにするとともに、流通の安定を図るために米の買受代金の債務保証を行う安定供給支援法人を設立する」ことについて (5)「過剰米処理の方法として、翌年の生産目標数量を減らすとともに、短期融資制度をも活用する」について (6)「一定規模以上の水田経営を対象に担い手経営安定対策を行う」ことについて (7)米政策改革大綱全般について (8)コメのJAとJA外の出荷比率とJA外に出荷する理由 (9)その他

G、WTO農業交渉の第1次案について
(1)関税率が90%以上の農産物は、それを平均で60%、品目別でも最低45%引き下げるという案について (2)今回の政府の農業交渉について 

H、 政府に期待するこれからの支援政策について

I、自己資本の拡大について

J、農薬について
(1)農薬についてJAの営農指導員と情報交換 (2)1ヘクタール当たりの農薬コスト (3)農薬購入時に剤を選択する基準 (4)農薬の購入先とその割合 (5)予約か当用か (6)JAと商系との価格差が何%程度ならば農協を利用するか (7)JAと商系の農薬に関する推進(営業)活動 (8)農薬の大型規格の利用 (9)使用農薬の更新頻度 (10)その他 

(2003.7.30)

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