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論壇―風 |
鶏肉の表示違反問題につづく無登録農薬問題で、JAへの信頼が大きくゆらいでいる。 一般の企業が引きおこした問題なら見逃せる、というわけでは全くないが、JAなら安全と思っていたのに、JAもとうとう一般企業と同じになってしまったか、という残念な思いを、多くの国民が持ったに違いない。JAは自分の社会的使命を忘れてしまったのではないのか。 |
◆ 軽視される企業倫理
一般企業も、かつてはそれぞれに、社会的な使命感をもって活動していた。たとえば、製鉄所は、ただの鉄を作っているのではなく、産業のコメを作っているのだ。スーパーは、流通革命の第一線の戦士だ。家庭電器は、女性を過酷な家事労働から解放するのだ。・・・・というように、それぞれが社会的な使命を強く自覚していた。 ◆ JAの社会的使命 JAには企業とは違って、もともと出資者への利益の配当などない。そもそも利益があってはならない。もしも利益が出てしまったら、それは価格の設定を間違えたのだから、その分は利用者へ返すことになっている。 ◆ 使命感の回復を そのJAが目先きの利益だけを追って、問題をおこしてしまった。多くの国民の失望は、JAが使命感と正義感を失ったのではないか、という点にある。 ◆ 農水省の「農協改革」 農水省は、いま「農協は改革か解体か」と迫っている。こんどの問題で絶好の機会がきた、と思っているのかもしれない。 ◆ JAと米を守れ 7月末には農水省の研究会が、米は一般商品になったとして、政府は米の供給に関与しない、という提案をした。これは「農協改革」と同じ発想なのだろう。そうなると、わが国から米がなくなってしまうだろう。 |