農業協同組合新聞 JACOM
   

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論壇
民主党に喝!農協組織に檄


◆健全な2大政党への期待で、民主党へ喝

 11月9日の総選挙、民主党の躍進云々とも言われているが、筆者は民主党は負けたのであり、きちんと敗北宣言すべきであると考えている。2大政党を標榜し、政権取りを宣言しての総選挙である。政権獲得可能な議席を達せねば敗北なのである。それを、ホップ・ステップ・ジャンプのホップに成功、来夏の参院選のステップでさらに政権へ接近してと、涼しい顔である。その甘さには恐れ入る。やはり、未だ政権政党へ達せずといわざるを得ない。
 一方の自民党は、政党としての寿命が尽き果ててはいるが、小泉流のパフォーマンスをはじめ、テクニックの限りを尽くし、ようやくの政権維持の感が深い。かつて、同党にみられたエネルギー・活力あるいは総合力は最早見出せない。敵失や敵の未熟に助けられ、生き延びているに過ぎないといえる。 
 山積する経済・社会上の難問解決へ対応可能な意欲と責任感のある、相対立する2大政党の存在を筆者は期待している。現段階の我が国では、交代可能な2政党の対立・琢磨こそが最優先されるべきだと思う。現実はかたや12歳にいたらぬ児童レベル、こなたは活力なき老境ときては、国民が救われない。まずは民主党が敗北宣言のもと意識改革することである。さすれば、そこは政権の旨味を知り尽くした自民党、自己改革に走らざるを得まい。きちんと走るかどうかは民主党の意識改革の度合いいかんによる。ここは、大沢・張本流ではないが“民主党へ喝!喝!”である。

◆少数・批判政党を埋没させてはならない

 2大政党のみでいいのか、少数政党や批判政党の存在価値と問われれば、2大政党の定着に比例して、存在意義は高まると考える。したがって、小政党候補者へ優遇措置を強め得る比例代表制などの法制強化は不可欠である。
 農協の動きを見ると、今次の総選挙で、全国農政協(全国農業者農政運動組織協議会)推薦の候補はほぼ自民党で、うち214名が当選したとのことである。同協議会役員には学識経験者として、農協全国連の役員の名札が並んでいる。オフィスはと見ればJAビル4階である。第三者が見たらなんと感じるだろうか。誰しも農協は自民党の支援組織と見るだろう。どのような経過なのか、過去の動き・いきさつは判らない。仮に複雑なものがあったにせよ、再考を要する時期に来ているのではなかろうか。
 
◆農協全国組織への檄

 第23回全国JA大会は無気力な雰囲気のままに終始した。会場に身を置いて何のための大会かと理解に苦しんだ次第である。反面教師にせんものと意識的に物静かな大会運営を演じあげたのではとまで考えたものである。これでは農協改革は絵に描いた餅となるは明白である。何とかせねばなるまい。基本は個々の農協であるが、全国組織自らがなすべき領域も狭くはあるまい。
 金融業界をみても、大手銀行で“昔の名前で出ている”と言えるのはほんの数行である。証券業界にいたっては、準大手以下は大激変で、様変わりである。本社レベルでの改革努力は進んできていると言えよう。
 これらの業界と旧態依然を争った農協全国組織は、せめて、全国組織と関連する諸団体を対象とする組織の合理化に、全力投球で乗り出してはいかがであろうか。
 「農業協同組合連合会役職員名簿平成15年版」だけを見ても、全国組織19、関係農林水産団体110、関連会社23となっている。農協組織主体で構成されている者も多かろうと思われる。業務の重複や必要性に疑念のあるものが多かろう。大なたを振るえば大きな成果が期待される。高いレベルの全国連機能発揮を目指した大幅・大胆な組織改編の成果は、計り知れぬものがあろうし、農林水産行政組織改革にも一石を投ずることにもなろう。関係者の努力と奮闘を望むや大である。 (2003.12.9)



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