わが国でも、遺伝子組み換え(GM)大豆を原料とする加工品の流通が現実になっているが、消費者の8割は「価格がある程度高くなってもGM大豆不使用の製品を購入したい」と考えていることが農水省の行った調査結果で分かった。(11年度食料品消費モニター第2回定期調査結果、5月1日公表)
◆国産大豆使用へのこだわりが浮き彫り
今回の調査では、「大豆加工品の消費」と「食品の安全性に関する情報提供」の2つのテーマでモニターに質問した。(全国主要都市に在住する主婦、1021名。回答率は99.9%)。
大豆加工品の「購入時の注意点」としては、「日付表示」が「豆腐」(93.9%)、「納豆」(90.4%)、「煮豆」(79.4%)で1位、「味噌」では「価格」(66.5%)、「しょうゆ」では「メーカー名」(70.5%)が1位だった。
2位に上がったのは「豆腐」、「煮豆」では「原材料に関する表示」、「納豆」、「しょうゆ」では「価格」、「味噌」では「原材料に関する表示」と「メーカー名」がほぼ同率となった。
このうち「原材料に関する表示」の内容については、いずれの品目でも「国産大豆を使用した製品であるという表示」が1位で、ついで「有機・無農薬大豆を使用した製品であるという表示」の順になった。国産大豆使用の表示を求める回答は「豆腐」では60%を超えている。
さらに国産大豆を使用した製品の購入割合では@豆腐では「国産大豆使用製品が大半(半分以上)」が34.6%で、次いで「国産大豆を使用した製品のみ購入」が33.7%、A納豆では「国産大豆を使用した製品のみを購入」、「国産大豆使用製品が大半(半分以上)」が同率で32.3%、B煮豆では「国産大豆を使用した製品のみを購入」がもっとも多く29.7%、次いで「国産大豆使用製品が大半(半分以上)」が29.3%、C味噌では「国産大豆を使用した製品のみ購入」がもっとも多く6.6%、次いで「国産大豆使用製品が大半(半分以上)」が25.6%、Dしょうゆでは「わからない」がもっとも多く27.5%、次いで「国産大豆使用製品が大半(半分以上)」が23.3%となっている。
国産大豆使用製品を購入する理由としてもっとも多かったのは「安心・安全だから」(74.4%)で、「おいしく、品質がよさそうだから」(16.3%)、「国産大豆の生産量を増やしてほしいから」(7.7%)と続く。
◆根強いGM大豆の使用・不使用の表示求める声
GM大豆が流通している状況のなか、こうした大豆加工品について質問したところ「価格がある程度高くなっても非GM大豆の製品を購入したい」とする回答が81.1%と最も多くを占め、次いで「分からない」(12.0%)、「価格が安いのであればGM大豆を使用した製品を購入してもよい」(4.3%)、「原料は気にしない」(2.0%)となった。
同時に今後の表示に望むものとして「GM大豆を使用しているかどうか表示してほしい」が最も多く82.0%を占め、次いで「国産大豆の使用割合を表示してほしい」(48.1%)、「原料大豆の原産国を表示してほしい」(41.7%)となっている。
一方、大豆加工品については、11年7月に業界8団体で国産大豆を100%使用した製品には「国産大豆使用」と表示し、輸入大豆と混合使用した場合には「国産大豆○○%使用」などの表示をすることを決めたが、この表示ルールについて「知っていた」のは32.3%で「知らなかった」が67.5%となっている。ただし、60歳以上では「知っていた」が42.1%となるなど、年齢が高まるにつれてその割合が高まっている。
消費量調査では、「豆腐」では「1〜3丁」(1丁約400g、1週間)が73.5%、「納豆」では「1〜3パック」(1パック約50g、同)が59.8%、「煮豆」では「購入しない」(同)が45.9%、「味噌」では1か月に「1袋未満(約1kg)」(1か月)が57.2%、「しょうゆ」では「1本未満(約1リットル)」(同)が61.5%で、それぞれ1位を占めた。
今後の購入意向では「豆腐」、「納豆」では「増やしたい」、「煮豆」、「味噌」、「しょうゆ」では「変えない」が最も多くなっている。
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