現地に見る共済優良事例 |
JA豊田市 (愛知県) 愛知県のJA豊田市はJA共済の普及推進で、ライフアドバイザー(LA)を中心とした積極的な提案・相談型の活動を展開し、長期共済と年金共済で平成11年度の新契約目標を達成した。実績は長期共済が6298件で保障金額は891億円、達成率は102・5%。年金が703件で年金額は6億6574万円、達成率は105・6%。県下43JAの実績順位でみると生命共済(保障)で3位、年金年額で4位。また短期共済の新契約(掛金)でも3位と健闘した。厳しい状況を切り開く同JAの特徴的な活動ぶりを紹介する。 |
◆壮年者の関心を呼んだ保障相談 豊田市の人口は35万人余。トヨタ自動車の城下町であり、生保各社がしのぎを削る。損保ではトヨタを筆頭株主とする千代田火災が強い。またトヨタグループは傘下の従業員を囲い込む独自の保険商品 『ハッピーライフ』 を持っている。生損保をセットにしたものだ。 同市の面積は広く、市街を抜けると県下一の稲作地帯であり、モモ、ナシ、野菜などの産地でもある。農家戸数は8868。大半が兼業だ。若い層はたいていトヨタ関連企業で働く。 このため昨年10月の第2回相談では会場数を一挙に10会場に増やし、それぞれ2日間開催したところ、合計89人が相談にきた。員外の人がほとんどで、また30‐40代前半という比較的若い層が目立った。相談内容は既契約保険に対する疑問や不安などだった。 開催の狙いは 「地域住民に、よりよい保障をアドバイスすることにあり、生命保険のリフォームで新規契約を取るという方針は前面に立てなかったのですが、結果としては、かなりの人がJA共済に乗り換えてくれました」
とJA共済部の中根邦彦部長は語る。 サラリーマン向けに相談日の設定を金・土曜日とし、宣伝も新聞折込みに加えて会場周辺の全家庭にチラシを配って成功させた。見出しには 「掛金が高くなる保障の見直しは、少しでも早いほうが有利!」 などとうたった。LAとファイナンシャルプランナー(FP)たちが相談に乗った。 ◆一斉推進でも成果をあげる 一方、全職員479人が組合員の全戸訪問を目ざす一斉推進の成果も大きい。 毎年5月に設定して、LAと一緒に訪問するが、成果ゼロの職員はいないという。一斉推進のあと各支店長がまとめた情報をLAが引き継いで既契約見直しのリフォームを中心に契約実績を積み上げていく。 LAによる恒常推進と一斉推進をがっちりかみ合わせた進め方になっている。 JA豊田市はLA制度を5年前に導入した。現在は41人体制だ。長期共済の新契約実績に対するLAの寄与率は11年度で75・7%。年金共済では約82%。その土台には一斉推進がある。 男性LAの平均年齢はほぼ35歳と若い。これは全国的傾向らしい。地区別担当制になっており、例えば猿投地区の担当LA7人は猿投支所に常駐しているといった地域密着型で、機動性のある体制だ。 ◆LAが独自に推進資材を開発 女性のLAはJA全体で5人が活躍している。成熟化の中でJAはリフォーム中心の推進に努め、年々その成果を伸ばしている。 「県下でも、ここのLAのレベルは高いと思う」 とJA共済連も評価する。その理由はやはり年々、研修会を質量ともに充実させてきたことによる。今年も外部講師を招いてJA独自の研修会を拡充する。 テーマはリフォームセールが最重点だ。「競合他社に負けないようお客の満足度向上に向け、たゆまぬ戦力アップに努めたい」 と中根部長は意欲を示す。 保有純増率が高いのは生命共済と比べて建物更生共済の構成比が高かったという理由もある。建更は解約が比較的少ない。 なお12年度は、保険業界のさらなる競争激化を予想して、LAと事故査定員の教育研修を充実させ、LAについてはリフォームセールスを中心に提案型の推進に取り組む方針だ。また生命総合共済(こども共済を除く)に新設される高額割引制度と、建更10型を主力に積極的な展開を図ることにしている。 |
JA豊田市の概要 |
農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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