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JA全農、臨時総代会を開催

 JA全農は、3月31日に第23回臨時総代会を開き、「平成12年度事業計画」などを決めた。また、4月1日には、3都県連(東京・山口・徳島)と合併した。今年度はJAグループ全体での「リストラ・改革・挑戦」に取り組むとともに、さらに来年3月には合計30県連程度との合併をめざす「新しい全農の土台づくり」(大池裕会長)の年と位置づけている。


◆統合は競争力強化の手段

 JA全農では、4月1日、すでに統合している宮城、鳥取、島根と今回の東京、山口、徳島を合わせ6都県連での統合が実現した。これにともない新たな県本部として「全農とうきょう」、「全農やまぐち」、「全農とくしま」 が発足した。
 このほか、現在25県連と統合研究会を設けこのうち17県連は合併委員会の設置を決めており、13年3月には合計30県連程度との統合をめざしている。実現すれば、職員数は1万人を超え、取り扱い高は6兆7〜8000億円になる見込みだ。

 JA全農・大池裕会長は、臨時総代会終了後に記者会見し 「統合は、ただ単に大きくなろうということではない。強くなるための手段。全農がリーダーシップをとって日本農業を背負っていかなくてはいけない」 と強調、今後の取り組みに対しては 「職員一人ひとりが意識改革をしてもらわなくてはいけない」 などと語った。
 また、食料・農業・農村基本法下での経済事業について 「自給率向上は実現しなくてはならない柱だ。そのために営農指導を重視しなくてはいけない」 などと語るとともに、農産物を“価格”だけでみるのではなく 「安心、安全などの面を消費者に理解してもらわなくてはいけない」 とも指摘した。

 一方、米価の現状については 「過剰が一番の下落の原因」との認識を示し、「必要量を生産し供給するよう抜本的に米生産を見直す」 必要があるとした。そのために転作対策の充実、強化が求めれることから 「生産者は作っても所得にならないものは作らない。所得になる水田農業としての麦、大豆生産をめざしていきたい。そのための営農活動を大いにすすめる必要がある」 と述べた。

 さらに、新基本法農政が法人による農業経営を重視する方向を打ち出していることについて 「JAも積極的に大型農家と接触をはかりながら日本の農業を力を発揮しなくてはならない。全農としてもより接近をはかり事業提携していきたい」 と述べ、こうした新しい取り組みについて 「組合員の生活を守る農協運動は変わらないが、農協活動(事 業)としては高度化しなくてはならない」 などと語った。


◆「グローカリズム」など5つの“めざす方向”掲げる

 JA全農は、30県連程度との統合実現による 「新しい全農」 として”めざす方向”を掲げている。@グローカリズムによる価値創造、A顧客満足を基本とする事業展開、B事業競争力のある組織、C挑戦する職場風土、D地域農業・環境問題への積極的対応、の5つである。

 具体的には、グローバルかつローカルな思考と行動で組合員やJA、さらには消費者にも認められる事業価値を創造することや、部門・県域を越えた連携強化による顧客満足を追求した新たな事業展開、自然との調和と環境負荷の低減をめざした環境保全型農業の推進などをあげている。

 また、これらの方向を実現するための事業運営体制として、業務面では @最新の情報技術を活用した業務・事務処理の 標準化・統一化、A受発注・請求精算業務から顧客管理までを行う広域集中事務処理センターの設置、などの改革を行う。さらに、物流面では @広域物流拠点の設置による配送・在庫管理の集約、AJAグループを通じた最適な物流システムの整備、B組合員から取引先・消費者も含めた一貫物流・情報体系(サプライ・チェーン)の構築などに取り組む方向を打ち出している。

 こうした改革を通じ、間接コストの大幅な削減を実現し、「生産振興対策」、「JAへの支援強化」、「事業・商品開発」、「海外事業の強化」 などの主要施策に経営資源を再配分、競争力と経営体質の強化を図る方針だ。


◆3都県本部の運営体制決まる

 東京、徳島、山口の3都県連はJA全農と合併しそれぞれ新たに県(都)本部となったが、その体制が3月31日に決まった。

 「全農とうきょう」 の本部運営委員会会長には、加藤源藏・JA東京あおば代表理事組合長(JA全中副会長)、副会長には臼井勉・JA東京みどり代表理事組合長が就任した。また、本部長には石井包吉氏(東京都経済連専務理事)が任命された。
 「全農やまぐち」 の県本部運営委員会会長には、山ア哲夫・JA山口中央会会長、副会長には柳新治・JA山口中央会副会長が就任した。また、県本部長には國澤是篤氏(山口県経済連専務理事)が任命された。
 「全農とくしま」 の県本部運営委員会会長には、米原宗二・JA徳島市代表理事組合長、副会長には井内仁・JA名西郡代表理事副組合長が就任した。また、県本部長には佐竹茂則氏(徳島県経済連参事)が任命された。


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