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手ぬるい牛乳表示 生乳使用率が買い物のカギ

 生乳を使わない商品が牛乳を名乗るというインチキは昨年12月22日の表示改善で 許されなくなったが、まだまだお茶をにごす程度の改訂に終わり、生乳の使用率が50%を超えれば牛乳と表示しなくてもよいことになった。これに対して使用率の義務化を求める消費者の声が高まっている。

 (社)中央酪農会議がこのほどまとめた女性消費者のアンケート調査によると、79%という圧倒的多数が乳業メーカーに対して生乳使用率の表示を望んだ。
 また、どの牛乳商品を買うかは生乳の使用率によって決めるという回答が72%にのぼった。そして、過半数が、生乳50%以上か、100%の製品を買うと答えた。

 いったい旧表示ではどんな買い方をしていたのか。「牛乳」の表示があれば、生乳を使った製品であると思い込んでいたようだ。
 調査によると、牛乳、部分脱脂乳、加工乳、乳飲料の4種類を知っている消費者でも、加工乳と乳飲料の正体を知っている人は少ないとわかった。
 昨年末までは、輸入品の安い脱脂粉乳を水に溶いた製品でも「○○牛乳」などと大きく表示できた。
 後ろ側の細かいデータ表示には「加工乳」という文字はないが、消費者はそこまで確かめない。牛乳の原料は生乳だと思って買っていく。
 そこには生乳など一滴も入っていない。こうした制度は脱脂粉乳など乳製品の輸出国で有利で、わが国の食料自給率を低下させる。

 このためJAグループなど牛乳の生産者団体や消費者団体は表示制度の改善を強く求め続け、今回やっと一部改定となった。
 だが生乳使用率の表示は乳業メーカーの任意にとどまるなど、いい加減だ。また「コーヒー牛乳」など色物乳飲料は従来どおり「牛乳」の文字が使える。
 とはいえ50%以上という基準ができメーカーは高率を競い、混ぜ物の機能などで勝負することになる。
 一方、消費拡大、自給率拡大へJAグループや市民団体はあくまで使用率表示の義務化を求めていく。
 なお、中央酪農会議は、この調査をインターネットでアンケート。有効サンプルは65人だった。


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