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情報発信始める 米消費拡大推進協議会
  需要落ち込み下げ止まるか


 JA全農は取引先と共に米の消費拡大運動を進めるため4月10日に米消費拡大推進協議会を結成し、会員の企業・団体と外部に向けて稲作、米、ごはん食の良さと重要性に関する情報を発信している。会員各社の社員食堂などに、日ごろの献立材料の自給率を掲示するといったユニークな取り組みも呼びかけている。栄養バランスの表示も提唱中だ。会員数は6月30日現在で110に増えた。また6月には今年度事業計画を幹事会で決め、ポスターや情報誌を作成中。会長は全農の大池裕会長、幹事長は全農の鈴木郭史常務。

 米にかかわる業界は幅広い。稲の段階では農機具や肥料・農薬の業界がある。米の段階では精米、倉庫、卸・小売、そしてご飯の段階になると炊飯器やみそ、ふりかけメーカーなど。 全農はJAグループや行政だけでなく、こうした関係業界と一緒になった米消費拡大運動を進めようと入会勧誘を続けている。
 現在の会員は全農の関連会社、生産資材、加工米飯・米加工品、酒造、大豆卸などにわたっている。

 初年度の事業計画は「健康で安全な農畜産物の提供、食料自給率の向上、ごはん食を中心とした日本型食生活の実践の取り組みがますます重要になってきている。これらの課題は食料関連に携わる私どもの共通したテーマであり、また事業とも密接に関連している」として▽普及・啓発活動▽会員相互の情報交換▽米消費拡大に取り組む他の機関・組織との連携などを柱とした。

 幹事会は10社とJA全農の計11人で構成。事務局は全農本所パールライス部に設置した。
 パールライス部の中沢正良副審議役は「まずは会員の企業・団体内で社員や職員のみなさんに、自分たちの仕事と密接にかかわる米消費拡大の意義を訴えるなどして身近なところから積み上げるかたちで推進していきます」と語っている。

 一方、食糧庁、JA全中、JA全農の3者からなる「朝ごはん実行委員会」が5月に発足して流通業界に店内からの情報発信を働きかけている。
 また昨年12月には全中、全農などJAグループ全国連や全漁連、そして業界団体など計253(企業と個人を含む)からなる「食を考える国民会議」(木村尚三郎代表)が結成され、日本型食生活の提唱運動を始めた。
  ほかにも新基本法以後、米消費拡大運動にかかわる全国規模の組織がかなりできており、また従来からの組織も自給率向上の取り組みなどを掲げている。

 地方でも兵庫県が、ご飯もう一杯運動を始めた。
 こうした動きが米消費拡大への大きなうねりになってきたともいえそうだ。
 このため農水省の農業観測は、今年度の米消費について、関係者の一体となった消費拡大の取り組みによって前年度なみになるものと見込んだ。つまり前年度までの落ち込みが下げ止まると見通した。


 

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