JA全農は米の消費拡大に向けた今年度の事業展開を一層強化する。内容は商品開発や拡販などのほかスポーツ振興とタイアップしたPRなど多彩だ。
商品開発では、いくつかの計画を明らかにしたが、うちユニークなものをみると「米粉入り国産小麦使用パン」がある。米と麦の両方が原料だから自給率向上をねらうにはぴったり。このパンを含め粉食商品全体の開発にも力を入れる。
新潟県下には米粉製品の開発に熱心な先発メーカーがあり、すでにお米のパンを売り出している。米を原料とするパンには昔「玄米パン」があった。
一方、ごはん加工食品の開発にも力を入れる。米消費が落ち込む中で、加工米飯は成長市場だ。需要は今後も伸びる見込み。
これをにらんで3月には「ふっくらごはん」の新アイテム「炊きたての味」を発売した。
加工米飯では利便性、機能性、安心感を訴求した開発を課題としている。
また低アレルゲン・レトルト米飯の開発では、すでに実用性を確認した。米アレルギー体質の人に向けた商品政策だ。
一方、拡販面では、無洗米と冷凍米飯などを主力にして消費者ニーズに即応していく。協同会社のうち米穀卸と加工米製造の会社と連携して無洗米、無菌包装米飯、冷凍米飯の拡販に全力を挙げる。
無洗米や加工米飯はJAグループが朝ごはん抜きの食生活改善を目ざす運動を進める上で主力となっている食品だ。
このほか米消費拡大対策の一つとして米飯学校給食への対応も研究する。食糧庁などとの連携をとりながら自県産米などを安定的に学校給食に供給する仕組みや、地場産品を総合的に供給する手法、また食農教育支援に向けた情報提供などについて調査・研究する。スポーツ振興支援では3月に「日本ごはん党」(嵐山光三郎党首)を通じて、お米ギャラリー銀座から慶應大学ラクビー部と駒沢大学陸上競技部(駅伝)にパールライスを贈呈した。
またプロ野球ではセリーグで月間賞としてJA全農GO・GO賞を贈っているが、今年からはパリーグにも、これを新設してパールライスを贈呈。米の消費について宣伝する。
JA全中と連携した普及活動では、お米ギャラリーやアンテナショップ「ごはんどころ純米亭」の機能をさらに活用する。
また外食産業の団体である日本フードサービス協会との交流や、新規需要の創出に向けた国産米の輸出に協力する。
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