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第22回JA全国大会議案に対するJA全青協の提言

平成12年9月5日
全国農協青年組織協議会 会長 若林英毅

1.青年部のJA経営への経営参画

 JAの利用者であり、地域農業の担い手である青年部のJA経営への参画をすすめる必要がある。このためには、経営管理委員会を導入すべきである。その際に青年部・女性部・生産部会の代表を登用するなどの制度整備を図る必要がある。
 また、JA運営の透明性を確保するため、現行の理事会での議論経過等を公表すべきである。

1.JAの役員体制

 地域住民から信頼される健全なJA経営を図るためには、経営責任を明確にし、透明性の高いJA運営を継続していくことが重要であり、現在の役員の使命として有能な後継者を育成していく必要がある。しかし、役員任期の長期化によって後継者の育成を妨げる場合が多いことから、世代の交代を図るため常勤役員の定年制・任期制(例えば70歳、4期を限度とする)の導入・地方議員と常勤役員との兼職の禁止を制度的に確立すべきである。

1.生産資材価格の引き下げ

 生産資材価格の引き下げに向け、「広域集中方式による業務・物流システム」への転換と規模別・機能別の価格体系を明示、利用高ポイントによるメリット還元は確実に実現すべきである。
 また、業務・物流システムの改革と合わせて、JA段階における生産資材の業務努力とサービスの充実が必要である。

 ※このような方式は他の企業では、かなり前から実施されているのものであり、JAグループも短期間でシステムの実現を図り、生産資材価格の引き下げを実現しないと、大口利用者である担い手農家は、例え青年部の盟友であったとしても、JAを利用しなくなる事態を招きかねない。

1.営農指導力・販売力の強化について

 JAの営農指導についての青年部が期待するのは、単なる技術指導ではなく、「収入の向上につながる販売」と結びついた販売・生産指導であり、JAとして専門的な指導を行ない得る人材を育成・登用すること。
 また、販売力の強化にあたっては、農産物の販売ルートが多様化している中で、JAとして地産地消や域内消費の取り組みや商品開発やブランド確立を進め、販売に関してもJAの事業利用率をアップすることで農業者の所得を向上させる仕組みとなるような対策を講じること。

1.担い手対策の強化

 青年部をはじめとする中核的な担い手層を育成するため、JAにおいて大規模農家・農業法人の組織化および融資等の支援制度の充実を図ること。
 なお、JA出資の農業生産法人の取り組みにあたっては、地域の担い手の育成を第一とし、充分な調整を図りながら進める必要がある。

1.食農教育の推進および消費者理解の促進強化

 自給率向上に向けた日本農業の振興を図るためには、生産者の努力だけでは限界があり、消費者の農業に関する理解が欠かせない。特に、学童農園・市民農園による農業体験は農業の重要性や苦労を知るだけでなく、食料や環境について考えるきっかけとなり、いのちと心を育む貴重な機会となっていることから、全国のJAをあげて取り組むべきである。
 また、あわせて日本型食生活の普及等を進め、食料・農業に対する消費者理解を図るべきである。

1.農業融資の改善

 農業経営の実態を見た担い手にとって利便性の高い融資や、機械・農地等のリース制度を確立すべきである。
 また、金融情勢の変化の中においてもJAが農業向け融資の貸し渋りのような事態を生じることがないよう、制度の充実を含め利用しやすい農業融資制度の拡充を図るべきである。

1.ITの推進

 世界的に改革が進みつつあるIT(情報技術)に関しては、他業態との厳しい競争に対応するため、JAグループ全体で早急に取り組み、全JAでのホームページ開設と総合ネットワーク化による組合間相互の情報の共有を図る等、組合員に対して迅速で的確な情報提供を可能とすること。

以上    



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