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「日々の地道な積重ねで事故防止と品質保持を
12月15日〜13年2月15日 農業倉庫火災盗難予防月間スタート 

保管管理体制の強化と火災盗難防止対策の再点検を
−JA全農米穀販売部長 水野 文雄

 JAグループは、過去最大規模の生産調整、豊作による生産オーバー分の飼料用向け販売などに全力をあげて取り組んできました。
 しかしながら、計画を大幅に上回る持越在庫、12年産米豊作による供給量の増加、12年産政府買入ゼロの見通しなどから、11年産自主流通米価格は低迷し続けました。
 このため、政府・与党は、JAグループの要請を受けて12年産米の豊作等による需給不均衡の拡大を回避し、需給と稲作経営の安定を図る観点から9月28日に「平成12年緊急総合米対策」を決定しました。
 自主流通米の価格を回復するためには、この対策を計画どおり実施し、持越在庫を大幅に縮小することが必要であり、JAグループは現在、組織をあげてこの対策に取り組んでおります。

 しかし、転作の拡大あるいは飼料用等による在庫縮少は生産者の負担が大きいことから、今後の国内産の持越在庫米は、主食用として供給し、消費されることが必要です。
 しかるに、11年産自主流通米と交換して全農が販売する政府持越米7年産〜9年産には長期保管米であるとはいえ保管面での品質低下等が危惧されるものがあります。
 安定的に消費者に供給していく意味から、農業倉庫業者であるJAが、自主保管管理体制を強化し、「善良なる管理者の注意義務」をもって、適切な保管管理を履行することが極めて大切であります。

 毎年、JAグループは、火災や盗難の多発する冬期に農業倉庫受寄物損害補償基金とともに「農業倉庫火災盗難予防月間」(12月15日〜翌年2月15日)を設定し、全国一斉に運動を展開することにしています。
 運動の柱の一つである倉庫の火災防止については、倉庫の大型化・低温化(断熱構造化)がすすんでいることから、万一火災が発生すると被害は甚大なものとなります。火災の防止は倉庫業者の基本的な業務です。
 また、米の盗難事故ですが、新食糧法となり流通経路が多様化し、換金が容易で足がつきにくくなったこと、特に長引く景気の低迷下のもとでは、油断をすると盗難に遭いかねません。

 ついては、「農業倉庫火災盗難予防月間」において、次の取り組みが重要であります。
 (1)保管管理意識の高揚
 会議の開催、指導員の巡回指導による保管管理意識の高揚
 (2)火災・盗難事故等の防止
 火災・盗難事故防止のための連絡体制・見回り体制の構築や関係機器の点検整備などによる防災対策の強化

 最後に、関係者の皆さんには、この月間を契機に集荷業(倉庫業)の基本に立ち返り、火災予防と防犯体制の強化によって火災盗難事故が皆無となるよう、また、品質維持管理の徹底により生産者の品質改善努力がそのまま消費者に伝わるよう保管管理に万全を期していただくようお願いします。

 



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