資材・技術を含めて総合的に事業を展開 JA全農生産資材部 部長 藤野 瀛 氏 |
◆面的対応を求められる時代に −−1月の機構改革で、肥料農薬を除く生産資材関連部署が一つになりましたがこの意義はなんでしょうか。 藤野 段ボール、ハウス、農機、施設と幅広い対応が出来る体制になりました。 ◆計画から実行段階へ−−廃プラ対策 (廃プラの適正処理の考え方) −−「環境と調和した農業における生産コスト低減運動」がこの4月からスタートします。環境との関係では廃プラ問題がありますが、これについては・・・。 藤野 以前から「廃棄物適正処理対策」については、JAグループとして各地域の廃プラ適正処理推進協議会や行政と連携して、農家が事業者としての責任を果たせるような仕組み作りに取り組んできています。 ◆合理化効果が高い広域部品センター −−この運動でもそうですが、全農の「中期事業構想(原案)」でも、生産コスト低減が大きな柱になっていますが、各品目別の課題についてお聞かせください。まず、農業機械から・・・。 藤野 コスト低減はいつの時代でも追求していかなければいけない課題だといえます。「中期事業構想」では、到達すべき目標数値をあげて分かりやすい「行動計画」を示しています。 −−農機では、山陰で広域部品センターがスタートしていますが、今後の展開についてはどうですか。 藤野 広域部品センターをつくることで、「部品があるか」という問い合わせに、「あります」といえる即納率がいままで50%だとすれば75%まで高めることができます。また、EOS(Electronic
Ordering System:電子受発注システム)で注文を受けますから、誤発注を減らすことができます。山陰では、こうした合理化メリットが出て、センターの経営は自立に近づいています。 ◆40%超えた茶色箱化に さらなる施設の開発に −−段ボールの茶色箱化についてはどうですか。 −−農業施設については。 藤野 選別・包装や乾燥・調製の機械化がなくて、農業が継続できたかと言うと、答えは、ノーだと思います。つまり、選果場やカントリーエレベーターは、今日の農業にとって無くてはならないものになっていると考えています。ねらいは、施設で共同作業すること、米、トマト、ミカンを大量に処理する。大量処理することでコストを下げるのが、農業施設の役割と思います。そう考えると農業施設は、まだまだ導入されて良い、もっと国庫補助があって良いと考えています。適正導入について連合会のノウハウの出番があると理解しています。
◆20kg袋でさらにコスト低減 −−米袋 −−米袋については。 藤野 需要が毎年減っていますが、コストは少しづつ下がっています。また、ここ3年間20kg袋の実証試験を行ってきましたが、問題はないという結果がでています。これが実用化されれば、袋が小さくなってしかも作業の軽減につながると考えています。 −−JAグリーンについてはどう考えていますか。 藤野 当初は農業資材店との競合からこの事業は始まりました。しかし、いまは日本中どこにでもあるホームセンターとの競合が、JAにとって大きな問題となっています。そして、JA合併が進み支所購買店舗をどうするかという問題も大きな課題となっています。そうした意味から、実際にやる・やらないは、別ですが、JAとして1回は検討してみる価値のある事業だと思います。 −−農住事業については。 藤野 大都市圏の市街化区域内農地の都市的活用をはかり、組合員の資産保全を目的とした事業ですが、一方で、都市住民に快適な住環境を提供するという社会的意義のある事業と思っています。 ◆それぞれの仕事が経営的に自立できるよう −−最後に今後の抱負を一言お願いします。 藤野 農業機械も農業施設も、作業を効率化・省力化して、コストを低減する無くてはならない商品です。段ボールは、大きな需要を背景に、明らかに良い条件で届けられています。こうした良い商品を供給することを通じて、農家が再生産できる経営を支援したい、そして、申し上げた各品目の経営が、自立できるようでありたいと考えています。 |
農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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