米消費拡大事業の一環としてJA全中では今年も「ふれあい稲刈り教室」を全国5会場で開催。
この催しは、今年度で9回目。開催県の県中央会、食糧庁、JA全農、JA新聞連、(社)家の光協会の後援と現地JAの協力で行われている。
兵庫県JAささやま(8月25、26の両日各200名)を皮切りに、新潟県JA魚沼みなみ(9月8日:500名)、茨城県JA竜ヶ崎市(9月22日:200名)ですでに開催され、今後は埼玉県JA埼玉ひびきの(10月13日:200名)、群馬県JAたのふじ(10月21日:200名)で予定されている。
9月8日に開催された「ふれあい稲刈り教室」には、500名の募集に対し、519名の親子(小学生と保護者)が参加した。会場となった新潟県大和町は、全国屈指の米どころ。
早朝、上野駅に集合したツアー参加者は、貸し切りの新幹線でノンストップで新潟県の浦佐駅へ直行。
浦佐駅からは魚野川を渡り、歩いて15分ほどで会場となったJA魚沼みなみの本所に到着した。
稲刈りをする田んぼは、すぐ近く。快晴に恵まれたこの日、新潟県期待の新品種「こしいぶき」が初秋の陽光を浴びて黄金色に輝いていた。
開校式では大和町の秋山武雄町長が「米どころ大和町にようこそ、稲刈りは元気が大事です」と歓迎の言葉を述べ、JA魚沼みなみの山田富重郎組合長は「私たちは、こういう天気を稲刈り日和と言っています。ケガに気をつけて秋の一日を楽しんでください」と「ふれあい稲刈り教室」開校の挨拶をした。
まず稲刈り体験の前にJA職員が参加者に鎌の使い方や刈り取る位置などを説明。なかにはメモを取る人もいて真剣さが伝わってきた。
いよいよ、鎌を使っての稲刈りがスタート。子どもたちは元気に稲を刈り始めた。
作業は稲を刈り、束ね、稲架(はさ)かけまで。稲株のそばで小さな雨蛙を見つけて遊んでいる子もいた。
みんなで取り組んだ稲刈り作業は1時間ほどで終了。その後、参加者は班に分かれてコンバインでの機械刈りを見学した。1反、2反の稲をわずかの時間で刈り取ってしまう光景を見たのは初めて、という子どもがほとんどだった。
ちょうどお腹をすかしたところに、地元魚沼産の米を使ったおにぎりと豚汁のお昼ご飯。食後のデザートは、高級ブランド西瓜として知られる、地元特産の冷たくひえた八色西瓜が、食べ放題。西瓜はこの日のためにJAの保冷庫で保存してくれていたのだという。
午後からは、「なるほどお米ゼミナール」が開かれ、水田の機能などを学習したほか、脱穀、籾摺り、精米、や餅つき、稲わら細工の体験など、盛りだくさんの催しに楽しく学び遊んだ1日となった。
このイベントは地元JAの役職員、生産農家、大和町役場の職員などのボランティアによって支えられている。米の消費拡大の大切さだけでなく、助け合いという協同組合の原点、都市と農村交流の意義、楽しさなど考えさせられることも多かった。参加者からは「来年もまた、参加したい」、「今度は孫も連れてきます」という声も。何より生産者の励みなるだろう。米の消費拡大運動の着実な広がりを感じた。